高森明勅3月14日3 分皇室『昭和天皇実録』の昭和20年12月8日の記事は訂正が必要か?3月12日、高森稽古照今塾はハイブリッドでの講義。 毎回、教科書に入る前に、その時々で私が関心のある話題をいくつか取り上げる。 今回は、その1つとして『祖国と青年』3月号の記事を取り上げた。 現在も続いている皇居勤労奉仕の先駆けとして、宮城県栗原市(当時は郡)の有志によって...
高森明勅2月7日2 分皇位継承問題2月11日「建国記念の日」、天皇陛下は宮中三殿にご拝礼月刊誌「カレント」2月号から「皇室の春夏秋冬」という連載を開始した(毎号4ページ)。 大島前衆院議長インタビュー 同号巻頭には前衆議院議長だった大島理森氏へのインタビュー記事が載っている(インタビュアーは同誌発行元、潮流社・代表取締役社長の室舘勲氏)。...
高森明勅2021年9月5日2 分皇室上皇陛下が記録の確かな歴代天皇の中で最長寿となられた上皇陛下におかれては、去る9月3日、記録の確かな歴代天皇(およそ推古天皇〔第33代〕以降)の中で最長寿となられた(3万2千32日)。 心からお祝いを申し上げる。 これまで最長寿だったのは昭和天皇(第124代)。 昭和天皇は、昭和60年7月13日にご誕生より3万757日を迎え...
高森明勅2021年5月17日6 分政治昭和天皇と「旧宮家」の交流の実情を巡る貴重な調査報告昭和天皇と旧宮家の交流の実情について、『昭和天皇実録』(全18巻)を基礎資料として、丁寧に調べた貴重な報告がある(勝岡寛次氏、『祖国と青年』令和3年5月号)。 少しコメントを加えながら、その一部を紹介しよう。 「私が『実録』で(いわゆる旧宮家が皇籍を離脱した後の)昭和23年...
高森明勅2021年4月29日4 分政治「昭和の日」制定を目指す運動がスタートした頃のこと4月29日「昭和の日」。 この祝日の趣旨は、「激動の日々を経て、復興を遂げた 昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」。 時代が「平成」に移って暫く、「みどりの日」と呼ばれる祝日だった(現在、「みどりの日」は5月4日に移動)。その名称と趣旨を、昭和天皇と昭和時代を回顧する...
高森明勅2021年4月28日2 分政治4月29日「昭和の日」は、2つの点で“異例”の祝日である4月29日「昭和の日」は、2つの点で“異例”の祝日である 4月29日は、国民の祝日の1つ「昭和の日」だ。祝日としての趣旨は、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」。 この祝日は2つの点で“異例”の祝日だ。しかし、その事実が余り気付かれてい...
高森明勅2021年4月16日3 分政治教科書が教えない日本国憲法「制定」の真実とは?教科書が教えない日本国憲法「制定」の真実とは? 憲法は一般に、誰によって定められたか(憲法制定権力の所在)によって、3種類に分けられる。 ①欽定(きんてい)憲法。②民定憲法。③君民協約憲法。 ①は、君主が定めた憲法。②は、国民が定めた憲法。③は、君主と国民の合意によって定め...
高森明勅2021年2月27日2 分政治東久邇宮の「臣籍降下」論以前から、旧宮家系国民男性が新たに皇族の身分(皇籍)を取得することを可能にする制度改正が、一部で提案されている。多くの難題を抱えるが、「男系」限定をいつまでも維持しようと考えている人々が期待しているのは、東久邇(ひがしくに)家の男性のようだ。...
高森明勅2021年2月14日3 分皇室祝日と天皇現在、「国民の祝日」は16日ある。これらのうち、「天皇」に関わる祝日が意外と多い。具体的には以下の通り。 ①「元日(がんじつ)」。 これについては普通、「元日は宮中の年中行事であった元日節会(がんにちのせちえ)に由来する」(岡田芳朗・阿久根末忠編著『現代こよみ読み解き事典』...
高森明勅2021年1月14日3 分政治現憲法下の「不敬罪」皇室の尊厳を守る法的な仕組みとして、刑法には元々、天皇・皇族などへの「不敬ノ行為」を処罰する不敬罪などが規定されていた(73~76条)。しかし、被占領下にGHQの指示によって廃止された(昭和22年10月26日)。 その不敬罪が最後に適用されたのが、いわゆる「プラカード事件」...
高森明勅2020年12月21日2 分皇室上皇陛下の沖縄へのお気持ち上皇陛下が、初めて沖縄にお出ましになったのは、昭和50年。昭和天皇の御名代(ごみょうだい)として沖縄海洋博覧会の開会式に臨まれる為だった。当時は皇太子でいらした。 これは戦後、皇族が沖縄の地を訪れられた最初でもあった。同年7月17日、糸満市の「ひめゆりの塔」で上皇后陛下(当...
高森明勅2020年11月28日2 分皇室自主的な国民参賀宮内庁は、毎年1月2日に実施されている新年一般参賀を、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、来年は取り止めることを発表した。これはやむを得ないだろう。 でも我々国民が、それぞれ皇居に参上して、一般に開放されている場所で、新年をお祝いする各自の気持ちを皇室に捧げるのは...
高森明勅2020年11月13日2 分皇室「天皇反対」と書いた社員の涙皇宮護衛官として皇宮警察学校副校長、赤坂護衛署署長などを歴任された故・亀井孝之氏。 昭和51年11月に国民文化研究会の東京地区浦富合宿で講話をされた。その記録から(『国民同胞』令和2年11月号)。 「最近聞いた話で、陛下(昭和天皇―引用者)のお人柄がよく現れてゐると思ふ話が...
高森明勅2020年9月27日2 分皇室大和路の歴史をしのびこれまで、昭和天皇の御製(ぎょせい)の中から、「君主」としてのご自覚を明瞭に窺うことができるものを、紹介してきた。どうしても欠かせない1首に、昭和60年の新年歌会始でご発表になった御作がある(お題は「旅」)。 遠つおや(祖)の しろしめしたる 大和路の 歴史をしのび...
高森明勅2020年9月26日1 分政治わがゆく道を正さむと昭和天皇の戦後の御製(ぎょせい)。その中で、「君主」としてのご自覚が率直に表されているものに、昭和41年の新年歌会始にご発表になった1首がある(お題は「声」)。 日日のこの わがゆく道を 正さむと かくれたる人の 声を求むる...
高森明勅2020年9月25日3 分政治さしのぼる朝日の光昭和天皇の戦後の御製(ぎょせい)にも、「君主」としてのご自覚がよく表れている。 例えば、昭和35年の新年歌会始(うたかいはじめ)でご発表になった御製(お題は「光」)。 さしのぼる 朝日の光 へだてなく 世を照らさむぞ わがねがひ(願い)なる...
高森明勅2020年9月24日2 分政治憲法英語草案の“エンペラー”見落とされがちな事実を1つ。それは、今の憲法が制定されるに当たり、決定的な役割を果たした占領当局(GHQ)自身が、新しい憲法(法的な形式・手続きの上では帝国憲法を改正したもの)においても、天皇は「君主」であるとしていたことだ。...
高森明勅2020年8月16日2 分政治昭和天皇の核兵器ご糾弾人類史上、公文書の中で初めて核兵器を糾弾したのは何か? 一般に見逃されがちだろうが、昭和20年8月14日の「終戦の詔書」に他ならない。その一節にこうある。 「敵ハ新(あらた)ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ、頻(しきり)ニ無辜(むこ)ヲ殺傷シ、惨害ノ及フ(ぶ)所、真ニ測ルヘ(べ)カ...
高森明勅2020年8月14日5 分政治「8月14日」という日今から75年前の昭和20年「8月14日」。日本国の運命を決した1日だった。 既に同月10日、昭和天皇のご親臨を仰いだ最高戦争指導会議(御前〔ごぜん〕会議)において、ポツダム宣言を受諾して戦争を終結させる天皇のご意志が示されていた(第1回の聖断)。...
高森明勅2020年8月12日2 分その他のニュース魂の行方歌人で國學院大學名誉教授の岡野弘彦氏。昭和天皇の作歌のご相談に預かるなど、和歌を通じて皇室とのご縁も浅くない。民俗学者の折口信夫(おりくちしのぶ)の家に同居して指導を受け、その死を看取った。 折口の学問上の“遺言(ゆいごん)”と言うべき論文「民族史観における他界観念」(昭和...
高森明勅2020年1月12日1 分皇室昭和天皇のお言葉(続き)昭和天皇のお言葉の続きを。 「戦争の終結につきては機会を失せざる様(よう)充分考慮し居ることとは思うが、人類平和の為にも徒(いたずら)に戦争の長びきて惨害の拡大し行くは好ましからず」(昭和17年2月12日、大東亜戦争開戦から僅か3ヵ月後には、既に戦争の終結を探っておられた)...
高森明勅2020年1月11日2 分皇室昭和天皇のお言葉昭和天皇の御製と共にお言葉も紹介したい。今回は主に戦前のお言葉を。 「憲法の停止のごときは、明治大帝の創制せられたるところのものを破壊するものにして、断じて不可なり」(昭和6年末~7年春頃、満州事変後の騒然とした国内情勢から、秩父宮殿下が昭和天皇に憲法を停止して“親政”を実...
高森明勅2020年1月10日1 分皇室昭和天皇の御製昭和天皇をお偲びする縁(よすが)として、謹んで御製(ぎょせい)を掲げさせて戴く。 山山(やまやま)の 色はあらたに みゆれども わがまつりごと いかにかあるらむ (昭和3年、26歳。ご即位後、初めての歌会始にて) 身はいかに なるともいくさ とどめけり ただたふれゆく...
高森明勅2020年1月9日2 分皇室昭和天皇祭1月7日、昭和天皇祭。皇居・宮中三殿の皇霊殿(こうれいでん)で行われた。天皇陛下のご即位後、初めて。合わせて、八王子市の武蔵野陵(むさしののみささぎ)にも勅使が差遣され、幣帛(へいはく)を奉(たてまつ)って拝礼がなされた。夜には御神楽(みかぐら)も。ご丁重な祭りだ。...