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  • 執筆者の写真高森明勅

笹幸恵氏、ゴー宣道場で講演

11月のゴー宣道場は、初めて京都で開催。


基調講演は笹幸恵師範。

笹氏が以前、道場で「戦争」について講演されたのは、

第5回(平成22年8月8日、靖国会館にて開催)

での事(その時の司会は不肖私)。

その一端を紹介したい。

「私、実はいつも戦争のことを考えています」

「老いも若きも関係なく、戦争というのは、

国民1人ひとりが関心を持って考えるべき

普遍的なテーマだと考えています」

「戦争とは軍人だけのものではない…

生まれてきた時代が違うだけであって、

決して他人事(ひとごと)ではない」

「国家の安全保障について考えるのは

政府だけですか、自衛隊だけですか。

そうではない、われわれ1人ひとりが

そのことについて本当は考えなければならない」

「さまざまな立場に『声なき声』が存在する…

本当につらい思いをした人というのはそのことを

大きな声で語りません。

語れないんですね。

語るにはあまりにつらすぎる。

…そこに思いを馳せてみる。

これは今後戦争を考える上で、

非常に大事な視点ではないかと思っています」

「日本が戦争に負けたのは65年前(講演当時)です。

連綿と続く歴史の中で、65年なんてあっという間です。

日本は歴史始まって以来の未曾有(みぞう)の体験をし、

辛酸をなめて、立ち上がり、今がある。

隔絶した出来事として語ることなどできないはずなんです」

「私は趣味でやっているのではありません。

過去の戦争は現在につながっているからこそ、

知らなければならないと考えているんです」

「敗戦後、日本は過去と隔絶したような

考え方のまま今に至っているような気がします」

「戦争は『いいか悪いか』の二元論で語られる

ものではありません。…なぜこうなったのか、

今後そうならないためにどうすればいいのか」

「過去を否定するだけでは何も生まれてきません。

同様に、全否定の反動としての全肯定も、

何の意味もなしません。

自分で考えて得た結論であれば、

様々な可能性を自分の頭で考えますから、

全否定、全肯定にはなりません。

…国家に属している国民の1人として、

我が事としながらも客観的に戦争を捉え、

そこから教訓を得る。

そのプロセスが真の意味での反省なのです」

―笹氏はこれまで、

実際に戦跡に繰り返し赴かれ、

多くの戦争体験者の方々のお話を聴き、

身近に接し続けてこられた。

現代では稀有な存在だ。

今回の道場ではどんなお話を

伺う事が出来るだろうか。

楽しみだ。

なお当日の司会は、

又もや不肖私が務めさせて戴く。

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