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立憲的改憲への批判?

  • 執筆者の写真: 高森明勅
    高森明勅
  • 2018年7月23日
  • 読了時間: 2分

憲法学者で学習院大学大学院教授の青井未帆氏。

立憲的改憲への批判を展開されている。

その主旨は以下の通り。

「新しい9条を作れば政治がそれに従うというものではありません。

憲法の条文を新しくしたところで…

成熟した政治がなければ、意味がない。

そういう政治を作ることが、まず私たちが解決ん目指さなければならない

問題ではないでしょうか」 (「『新9条論ーリベラル改憲論』の問題点」)と。

いかにも筋が悪い立論ではあるまいか。

そもそも劣悪な政治に歯止めをかける為の憲法ではないのか。

一体、何の為の憲法か。

「成熟した政治」さえあれば憲法は殆ど無用、

という結論にも繋がりかねない論法だ。

憲法学者としてかかる発言は自己否定に近い。

しかも、「(成熟した)政治を作ること」

こそ優先課題と強調しながら、それをどうやって実現していくのか、 その手順や見通しは全く語られない。

余りにも無責任だ。

自衛隊「明記」加憲への危機意識がまるで感じられない。

更に、青井氏は軽々しく「新しい9条を作れば…」

と言うが、それは国民投票の結果として実現するものだ。

その“重み”を想像できているのだろうか。

氏は一方で、

「わが国における立憲主義や平和主義を真剣に論じている点など、 傾聴に値する議論が多い…憲法に書き込むことによって実力を

統制することは、正統な立憲主義的試みであり、

むしろ正道ともいえます」

と学者らしく、公平かつ理性的に評価しておられる。

その上で急に路線変更して、憲法自体の存在意義を軽んじ、

立憲主義を侮るような議論を展開されている。

不思議だ。

「護憲」の“呪縛”はそこまで深いのか。

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