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  • 執筆者の写真高森明勅

皇太子殿下のお誕生日

2月23日、皇太子殿下の58歳のお誕生日。 国民の1人として心からお祝い申し上げる。


再来年からこの日は「天皇誕生日」になる。


新しい御代(みよ)の最初の天皇誕生日は、 さぞや祝意に満ち溢れたものになるだろう。


皇太子殿下が長年、胸に刻んで来られた1つが、 花園天皇が時の皇太子、量仁(かずひと)親王 (後の光厳〔こうごん〕天皇)に授けられた「戒め」だ。


その趣旨の一端を紹介すれば、およそ以下の通り。


「太子は…常に美しい著物(きもの)を著て、

その著物が如何(いか)にしてできたか、織つたり紡いだりした

労役を思はれることもない。 いつも御馳走(ごちそう)に飽いて居(い)て、

未だ百姓の耕作の艱難(かんなん)を御存知ない。 ただ御先祖御歴代のお蔭によつて、将来万乗(ばんじょう)の天位 (皇位)に上(のぼ)られようとするのである。 徳なくして謬(あやま)つて王侯の上に居(お)り、

功なくして人民の間に臨むといふのでは、自ら恥ずかしくはございませんか」


「未だ…道徳を身にそなへずして、どうして天位に上られませうか。 是(これ)は元来その求むる所が、見当に外れて居る」


「若(も)し学功立ち徳義を成すならば…上(かみ)は大孝を

祖先に致し、下(しも)は厚徳を人民に与ふる事となる」 (辻善之助氏の解説より) 実に厳しいご訓戒だ。


殿下は取り分けこの戒めを、ご自身への切実な教訓として来られている。


「花園天皇は、まず徳を積むことの必要性、

その徳を積むためには学問をしなければならないということを

説いておられるわけです。 その言葉にも非常に深い感銘を覚えるます」 (昭和57年、22歳)


「花園天皇の言われる『学問』とは、単に博学になるということ だけではなくて、人間として学ぶべき道義や礼儀をも含めての意味 で使われた言葉です。 私も50歳になって改めて学ぶことの大切さを認識しています」 (平成22年、50歳)と。


やがて必ず皇位に即(つ)かれるお立場として、

「徳」(修養によって備わる優れた品性や人格)を

身に付ける事の大切さを、深く肝に銘じておられる。 敬服の他ない。

果たして私どもは、殿下を新しい天皇に戴くに相応しい

国民たり得ているのか、どうか。


その自省を忘れるべきではあるまい。

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