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  • 執筆者の写真高森明勅

天皇陛下の理想の「結婚相手」

更新日:2019年6月29日

天皇陛下がまだ皇太子になられる前。 記者会見の場で、何度か「理想の結婚相手」について、率直にお答えになっていた。


「理想像としては明るくて、健康的で、スポーツが好きな人がいいです。付け加えれば、料理が上手な人がいいですね」(昭和57年3月15日)


「いま考えている理想としては、よき日本人であって、そしてよき国際人であってほしいということです。これは当然日本人の皆さんが希望しておられることではないかと思うわけです」(昭和59年8月13日)


「結婚相手については、ある程度自分の意見や好みが反映されるべきだと考えていますが、あらかじめ理想のイメージを具体的にいい表すことはむずかしいと思います。会った時にこの人だと感じるのではないでしょうか。ただ、プリンセスとしては、控え目であることは必要だと思いますが、自分自身の意見をしっかり持っていることが貴重だと思います。また外国語ができた方がいいと思います」(昭和60年10月28日)


「ご質問にあった、身長であるとか、学歴であるとかは、私はそれほどこだわらないのですが、やっぱり結婚する相手として、自分とまず価値観が同じである人が非常に望ましいと思います。具体的にいえば、たとえば美しいものを見た時にそれを美しいものとして評価できる、大切だったら大切なものとしてそれを大切に扱う。それから贅沢を避ける意味において、金銭感覚が自分と同じ人がいいと思います。たとえばニューヨークのティファニーに行ってあれやこれやと物を買うようでは困ると…。二番目にあげれば、誰とでも気軽に話ができる人がいいと思います。人と会った場合でも、その人と話そうという環境を自然に作りだせる女性が結婚相手としていいと思います。話す時にも、控え目ではあるけれど必要な時には自分の意見をしっかりといえる女性。さらにいえば、これから先は外国人との接触も多くなってきますから、ある程度外国語ができる方がいいと思います。最後に、自分と趣味とか関心、具体的にいえば、スポーツが理解でき、それから音楽を理解できる、必ずしもできなくてもいいですが、ともかく理解ができることが必要だと思います」(昭和60年11月5日)


「理想像についてはこの間(昭和60年11月5日)申し上げたことと変わっていません。ただ一つ加えさせてもらえば、人の心情、悩みや苦しみといったことを推し量って思いやれる人がよいと思います。皇族の妃殿下という立場になると、いろいろな人に会う必要があるので、いろいろな面を知っている人でなければならないと思います。いろいろな経験をしているという意味です。そういう経験を積んでいれば、人の苦しみや悩みがわかってくれると思います」


「家柄にこだわらないというのは、家柄が良い故に世間のことを知らないで育って、他人の心がわからない人は困るという意味です。今いったのは、そういう意味の経験を積んでいるということです」


「周りがどんどん結婚していくと、冷やかされることがあるかもしれませんが、一番大切なことは焦ることではなくて、良い人がみつかるのを待つことだと思います。ぼくは焦るより、いい人に来てもらいたいというのが希望です。…(結婚相手は)自分で決めていきたいと思います。オックスフォードで学んだことは、自分で決めて自分で行動に移すということです。こういう問題は人にお願いするのではなくて、自分で決めれば両親も信じてくれると思います。自分がこの人と思って紹介すれば喜んでくれると思います」(昭和61年2月20日)


「(結婚について)いろんな方のご助言をいただくことはもちろんだとは思いますが、最終的な決定は自分でしたいと今でも考えています」


「やはり価値観が同じというのが一番大切だと思っています」


「価値観を同じくするっていう問題は非常に大切だ、と申し上げましたけれども、たしかにそういう人と巡り会うっていうのはなかなか少ないかもしれないし、困難なことだと思いますけれども…。やはり自分としては、そういうことをやってゆきたいと考えています」(昭和63年2月19日)


天皇陛下のご結婚相手への理想は極めて高かった。

これは、やがて“皇后”となられるべき方なので、当然と言えば当然かも知れない。陛下は「困難」な条件下、見事に初志を貫徹され、まさに“理想”通りの皇后陛下とご結婚なさったと申し上げて、敢えて過言ではなかろう。ちなみに、両陛下の最初の出会いは昭和61年10月18日、赤坂東宮(とうぐう)御所でスペインのカルロス国王の長女、エレナ王女の歓迎お茶会が開かれた時だった…。

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