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  • 執筆者の写真高森明勅

事実と儀礼

今上陛下のご譲位と皇太子殿下のご即位。


この両者は「間髪を入れず」「即座に」「同瞬間」になされる。


だから、それぞれ“別の日”という事は、 憲法=皇室典範=特例法上、あり得ない。


にも拘らず、政府のプランとして、

ご譲位の“翌日”にご即位という報道が、なされ続けている。

これは不可解。 ひょっとして、ご譲位に関わる儀礼(退位式?) とご即位に関わる儀礼(剣璽等承継の儀など)が行われるのを、 「別の日」にしようとしているのか。


そうであれば、その当否は一先ず別にして、一応あり得る。


しかし、誤解してはならないのは、 ご譲位もご即位も、何らかの儀礼に“よって”、 初めて実現するのでは“ない”、という事。 そうではなくて、天皇が皇位を退かれたという 「事実」が先ずあって、その事実を表示する「儀礼」が、 それに“伴う”。 新しく皇嗣が皇位に即(つ)かれたという事実があって、 それを表示する儀礼が伴う。

儀礼はあくまでも事実に伴うものだ。 その事実と儀礼の関係を、 あたかも退位式によってご譲位が実現し、 剣璽等承継の儀などによってご即位がなされるかのように、 転倒させて理解してはならない。


その上で言えば、両者の儀礼も、 やはり時間を隔てないで、同じ日に行うのが当然だろう。


先帝崩御後、時間を空けないで (今上陛下の場合は約3時間半後) 剣璽等承継の儀などが行われて来たのと同様に。

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