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  • 執筆者の写真高森明勅

大晦日

大晦日。


この日、宮中(宮殿竹の間)では 天皇の為に節折(よおり)が行われる。


6月末日にも同じ事が行われている。


祓(はら)いの行事。


古代から伝わる一種、不思議な儀礼。


又、皇族をはじめ国民の為に 6月と12月の末日には大祓(おおはらえ)も(神嘉殿の前庭)。


これも源流は古代に遡る。

その後、宮中三殿で除夜祭。

年中恒例の祭祀では年間で最後のもの。

これは掌典職限りのご奉仕。


この1年を簡単に振り返る。


前半は、ご譲位を可能にする法整備に力を注いだ。


安倍「一強」政権下で、曲がりなりにも皇室典範(附則)の改正と、 特例法ながら事実上の「ルール化」は成し遂げた。 改めてお名前は出さないが、

銘記すべき数人の与野党の政治家の尽力に感謝。


だが、天皇陛下のお気持ちを裏切らず、 後世に禍根を残さないで済んだ最大の理由は、別にある。

国民の圧倒的多数が一貫して「陛下のお気持ちに沿うべし」 との姿勢を崩さなかった事実だ。 皇后陛下がお誕生日の際の文書ご回答で、 率直にお喜びを表明して下さったのは、印象深い。

又、天皇陛下はお誕生日に当たっての記者会見で、 法整備のプロセスを顧みられつつ、 限りない寛大さをお示しになった。


「国民統合の象徴」とは、いかなるご存在であるかを、 まざまざと実感させられた。


ご譲位を巡る法整備の後、ある不倫疑惑が浮上し、 ゴー宣道場もその渦中に。


「文春空砲」という言葉も生まれた。 この時の小林よしのり氏の迅速果敢な対応は、 まことに見事だった。

一朝(いっちょう)事ある時こそ、 その人物の真価が現れる。

まさにその通りの、 大袈裟でなく鬼神すら道を譲ると思わせる、 獅子奮迅ぶりを見せた。


それは、 臨時国会冒頭の解散による選挙戦での挺身にも、 そのまま当てはまる。


今年後半で最も注目すべきは、 「立憲的改憲」という立場が初めて、 “現れるべくして”現れた出来事だろう。

これは、むしろ来年に正念場を迎える。 そのパッケージとしての「改憲」というテーマの中には、 長年、政府によって先送りされ続けて来た、 皇室典範の改正という課題が勿論、含まれる。

皇室の存続を支え、 皇位の安定的な継承を可能にする為には、 皇室典範の改正はどうしても避けられない。

先の特例法が成立した時も、 この点に関し附帯決議がなされている。


今年は、憲政史上初めてご譲位が可能になった

という点で、皇室の歴史の転換点になった。


しかし、

来る平成30年は、

今年以上に日本の重大な岐路になりそうだ。

微力を尽くしたい。 どうか佳いお年を。

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