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  • 執筆者の写真高森明勅

お言葉

7月6日、再び双葉社へ。

天皇陛下のお言葉について、殆どぶっ通しで5時間ほど喋った。

勿論、関連する皇后陛下や皇太子殿下のお言葉にも触れた。 あるいは御製(ぎょせい)や御歌(みうた)などについても。 私が解説したのは、前回と合わせて7時間余り。 用意したは小ぶりの原稿箋、僅か5枚。 手書きで、こまごまと書き込んだもの。 それと、参考資料のコピーや参考文献も持ち込んで、話した。 ライターは情報量が多過ぎて、些か呆れ気味。

本2、3冊分の情報量は十分あるだろう。 でも、捨て難い珠玉の逸話が多い為。

「素材はたっぷり提供したので、プロのライターとして、 読者の視点で思い切って取捨選択、再構成して、読みやすく、 最も興味深い内容にして欲しい」と頼んだ。

後は彼の力量に委ねるしかない。

翌日、編集プロダクションのスタッフには、 天皇陛下の「呼び方」について、念のために連絡を入れておいた。

「平成天皇」という表現は将来、 追号(おくり名)になる 呼び方だから、完全にアウト。

絶対使ってはならない。

「平成の天皇」という表現も感心出来ない。

近頃、時折見かける「天皇明仁」は、 陛下を呼び捨てにしているから、極めて非礼。

やはりアウト。

しばしば見受ける「明仁天皇」という呼び方も、 ご本名を避けるのが礼儀。

だから極力、使わない方が良い(美智子皇后も同じ)。

許容出来るリミットは「今上天皇」。 しかし、やはり敬称を省くべきではないので、 「天皇陛下」か「今上陛下」が望ましい、と。

広く読まれる本にするには、

行き過ぎた敬い方は控えるべきだろう。

でも、陛下のお言葉を本にするなら、最低限の配慮は必要。 そうでなければ、良質な読者を得ることも出来まい。

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