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直系継承とその対極にある養子制度への皇室のご意向とは?

  • 執筆者の写真: 高森明勅
    高森明勅
  • 13 時間前
  • 読了時間: 4分

直系継承とその対極にある養子制度への皇室のご意向とは?

皇室典範の改正をめぐる新聞各紙の報道から皇室のご意向の一端を伝える記事を紹介する。


◯読売新聞(7月18日付)から。

「『国民の理解が得られるのでしょうか』2021年11月頃。天皇陛下は、政府の有識者会議が12月に岸田首相に提出する皇族数を確保する方策案について、宮内庁の西村泰彦長官(当時)から説明を受け、そう漏らされたという」


「複数の宮内庁関係者によると、『21年からの議論で突如、男系維持の主張に偏った養子案が有力な方策となり、陛下は違和感を覚えられた』という」


「元参与が語る。『上皇さまは、常に国民に寄り添い、相互に理解しあう関係があってこそ、象徴天皇の地位に立てるという信念をお持ちだった。戦後80年近く一般国民だったのに、男系男子の血筋を理由に旧宮家出身者を皇族にする養子制度は、敗戦や大震災の苦難を国民と共に乗り越えてきた天皇家の歩みを否定するものだ』」


「小泉政権下の有識者会議が『女性·女系天皇』を容認した2005年。ある宮内庁の元幹部によると、天皇陛下は直系継承の安定に資する方策に理解を示した上で『慎重に進めてほしい』と望まれた。性別に限らず長子優先の皇位継承が認められれば、長女愛子さまがいずれ即位される。『その未来を見据えたお言葉だ』と元幹部は感じとった。秋篠宮さまも天皇家を支えるお立場で『その方向でよい』と賛同されたという」


「改正作業の元担当者によると、上皇さまは、側室制度なしに男系の維持は困難という、生物学的な見解も理解された。『悠仁さまが結婚後、男児を得られるかわからないのに、(女性·女系天皇を容認する)改正の議論がなかったことになり、困惑されていると聞いた』」


「立法府の総意が公表された翌日、天皇陛下はオランダ·ベルギー訪問に先立つ記者会見で議論の受け止めを問われ、『国民の理解が得られるものとなることを望みます』と述べられた。即位後5回の会見で同趣旨の質問があっても『制度に関わる』と回答を控えられた。『踏み込んだご発言は懸念の深さの表れ』とみる側近もいる」


「別の元幹部は、養子の制度化を主導した自民党の重鎮から、必要ならば天皇を説得すべきだと言われた。だがこの元幹部は、国民の総意を最優先する天皇家のご意向が、世論と大きく乖離していないと信じている。『男系維持に固執する今の政府は、ご意向をくみ取ろうとせず、世論の分断を招く法改正を強行した。信じがたいことだ』」


◯朝日新聞(同日付)から。

「複数の宮内庁関係者によると、(オランダ·ベルギー訪問前の)発言は陛下自身が直前まで内容や表現を熟慮して練り上げたものだという。『望む』という表現にも、長く陛下に仕えた元幹部や元側近は『陛下の思いが込められているように感じた』と口をそろえる」


「長く皇室に仕えた関係者は『陛下(現上皇さま)は皇室は国民とともにあり、象徴天皇はその体現者であるべきだとのお考え。男性だからいい、女性ではだめということはおっしゃったことがない』という。

05年から12年まで宮内庁長官を務めた羽毛田信吾さん(84)は『今の皇室典範には欠陥があると言わざるを得ない』と話す。1条は皇位継承を男系男子に限っているが、過去のような側室制度がなく、少子化の中では『皇統が不安定になり、将来皇室が絶えてしまいかねない』」


「複数の宮内庁関係者への取材によれば、天皇家側にとって、皇室に養子を受け入れることは想定されていなかった。…『旧宮家は俎上に上らないとの認識』(❲小泉政権❳当時の宮内庁幹部)だった」


「高市政権下で旧宮家からの養子案が『第一優先』として急浮上すると、皇室の方々からは戸惑いの声も聞かれた。

旧11宮家の人たちが宮中に招かれる行事は新年のあいさつなどに限られ、懇親会『菊栄親睦会』は14年を最後に開かれていない。ある皇族は旧宮家と『大切な問題を話し合ったことはない』と周囲に明かした」


「政府の有識者ヒアリングでは、次世代で唯一の皇位継承者でもある悠仁さまを支えるためにも、早期に養子皇族を迎えるべきだとの意見も出たが、秋篠宮家に近い関係者は『そのようなことを望むお考えは聞いたことがない』と口をそろえる」

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