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旧宮家系民間人を養子縁組で皇族にする制度変更が駄目な理由

  • 執筆者の写真: 高森明勅
    高森明勅
  • 6月2日
  • 読了時間: 4分
旧宮家系民間人を養子縁組で皇族にする制度変更が駄目な理由

自民党や日本維新の会などが「第一優先」とする、旧宮家系の民間男性をこれまで禁止されている養子縁組で皇族とする案について、それが何故ダメかの理由がよく分かるいくつかの引用を(重複も厭わず)。


◯「(皇室典範第15条で天皇·皇族との婚姻による以外の皇籍取得を否定しているのは)臣籍に降下したもの及びその子孫は、再び皇族となり、又は新たに皇族の身分を取得することがない原則を明らかにしたものである。蓋(けだ)し、皇位継承資格の純粋性(君臣の別)を保つためである」(法制局「皇室典範案に関する想定問答」昭和21年)

→皇位継承資格の純粋性(君臣の別)を損なう。


◯「(明治の皇室典範第42条で皇族の養子縁組を禁止した理由は)宗系紊乱(ぶんらん·びんらん)の門を塞(ふさ)ぐなり」(伊藤博文名義『皇室典範義解』明治22年)

→恣意的·政治的な血統の混乱に道を開く。


◯「皇統トハ唯(ただ)皇族タル身分ヲ有スル者ノミヲ意味シ、既ニ臣籍ニ入リタル者ヲ含マズ」(美濃部達吉『憲法撮要 改訂第5版 』昭和7年)

→旧宮家系民間男性は既に「皇統に属する男系の男子」ではない。


◯「歴代天皇の男系の男子には『皇統に属する男系の男子』と『皇統に属さない男系の男子』の2種類があり、皇位継承権を持つ現職(原文のママ)の皇族は前者に、また清和源氏·桓武平氏そして私のような旧皇族の子孫などは後者に該当する」(竹田恒泰氏「伝統と革新」創刊号所載論文、平成22年)

→当事者も「皇統に属さない」ことを自覚している。


◯「皇族と臣家との養子関係の実例を見ると、皇族が臣家の継嗣となったときは、養家の姓を称するが、逆に臣家の子女が皇族の養子ないし猶子(ゆうし)になった場合には、それに依って皇族に列することはなかった」(宮内庁書陵部編纂『皇室制度史料 皇族 一』昭和58年。源明子が養女として女王となった事例は、藤原道長の側室になった事実からも明らかなように、皇統の継承とは無縁)

→歴史上、全く前例がない。


「近頃、旧皇族をまた皇籍に戻すべきだという意見もあるようだが、私はこれについては、『何を今さら』というのが正直なところ本心だ。…

今さら、皇籍に復して国民の貴重な税金をいただくのには拒否反応がある」(久邇邦昭氏『少年皇族の見た戦争』平成27年)

→当事者の「本心」。


◯「(旧宮家系民間人として長男を養子に出す可能性を問われた答えは)制度上は可能ですが、息子はうちの跡取りでもある。私が経営する7つもの会社も、誰かに継いでもらう必要がありますし。子どもを養子に出すのは、誰にとってもハードルは高い」(竹田恒泰氏のコメント、「週刊文春」令和8年6月4日号)

→養子縁組推進の旗頭本人のホンネ。


◯「(旧宮家系民間人が皇族の養子に入ることは)特攻隊に志願するほどの大きな覚悟と勇気を必要とする決断だろう」(新田均氏「別冊正論Extra14」平成23年所載論文)

→養子縁組推進派の真っ当な認識。


◯「男系養子案のゴリ押しは、長い目で見たら天皇制廃絶の第一歩になりかねないと発信、(それに対して)天皇制維持派から批判が来ると思ったら逆だった。むしろそんな天皇制はなくなった方がいいという反応が多かった。そこまでして維持する必要はもうないと」(原武史氏のコメント、「サンデー毎日」令和8年6月7日号)

→反天皇派も呆れる。


◯「養子をくれといっても旧宮家側が断ると思う。無理すると、優秀とは言いがたい人物が候補に残る」(菅孝行氏のコメント、同前)

 →反天皇派の冷笑。



▼追記

①5月29日、「週刊ポスト」の取材を受ける(6月5日発売号にコメント掲載)。


② 5月30日に出演したTOKYO MX「田村淳のキキタイ!」では、番組冒頭、私の説明で田村氏が「腹落ちした~。それが正解だったんだ」という感じでスタート。

一緒に出演した鈴木哲夫氏と古谷経衡氏も同感の様子。

特に古谷氏は既に拙著『女性天皇の成立』(幻冬舎新書)を読んでくれていた。


③5月31日、北海道新聞朝刊にインタビュー記事掲載(北海道新聞デジタルでは5月27日により詳しい記事を配信)。私の他は河西秀哉·名古屋大学教授と君塚直隆·駒沢大学教授。併せてそれぞれが推薦する図書2冊を紹介する企画があり、君塚氏が拙著『愛子さま 女性天皇への道』(講談社ビーシー/講談社)を推薦して下さったのは恐縮。


④同日、前衆院議員の吉田はるみ氏のYouTubeLIVEに出演(1時間半)。視聴数は6月2日午前11時の時点で6万回を超える。同じ時点で前回分(2時間)は9.9万回を超えた。ささやかながら、事態は楽観を許さないので、タイミングを見て又やろう、という話になっている。


⑤「女性自身」6月9日発売号にコメント掲載。

 
 
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