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「男系男子」限定のまま皇位継承の安定化を目指す具体策は?

  • 執筆者の写真: 高森明勅
    高森明勅
  • 20 時間前
  • 読了時間: 3分
「男系男子」限定のまま皇位継承の安定化を目指す具体策は?

目の前に、次代の皇位継承資格者がたったお一方しかおられない、という厳しい現実がある。

側室制度がとっくに過去のものとなり、少子化も進む現代において、皇室の存続を願うならば、

どのような危機の打開策があるのか。


皇室典範を改正して、皇位継承資格の「男系男子」限定を解除し、女性天皇、女系天皇を認めれば、深刻な危機を少しは緩和できる。

それが実現しなければ将来は極めて危うい。

ところが一部に、女性天皇、女系天皇に反対する人達がいる。

その人達が、皇室を滅ぼそうと狙っているなら、反対する理由は理解できる。


側室制度と“セット”ではじめて持続可能な、明治皇室典範以来の男系男子限定ルールを、非嫡出子·非嫡系子孫による継承可能性が排除された後も、セットのもう片方だけをそのまま維持すれば、どうなるか。


別に政治的リソースを費やすことなく、最も効果的に皇室を無くすことができる。

だから、それが目的なら納得しやすい。


しかし、皇室を滅ぼすことが目的でもないのに、女性天皇、女系天皇に反対する人達がいる。これは不思議だ。

シナ父系制=男系主義に由来するウジの名としての“姓”が、主に男系継承だったことから、その観念に拘束され、かつ当時の男尊女卑の風潮も相俟って、明治典範で前代未聞の男系男子ルールが創出された。


その経緯を知らず、この新規のルールを、我が国古来の伝統と錯覚しているのだろうか。


しかし我が国では、皇祖神が女性神の天照大神であることに象徴されるように、シナ男系主義=男尊女卑とは異なる伝統がある。

その我が国の“本来の伝統”に立ち返って、今の欠陥ルールを是正し、女性天皇、女系天皇が可能になれば、皇位の継承は格段に安定化する。


それは、皇室のご意思とも、多くの国民の願いとも、合致する。

だから、政治が普通に機能していれば、その実現は至ってたやすいはずだ。


それが何故か難航している。日本の政治は一体どうなっているのか。

そもそも、“セットの片方だけ”の無理な男系継承を、どうやって維持するつもりか。具体的に、

皇室の存続をどのように図るのか。


「(旧宮家系子孫の国民男性で)復帰(新しく皇籍取得)したいと思っている者はいるわけがありません。…私がベストだと思っているのは(皇族との)特別養子縁組。つまり…(まだ物心がつかない)赤子のうちに縁組を行うことです」(竹田恒泰氏、令和5年7月27日投稿ポスト)


「皇室においては、お世継ぎづくりが最優先です。…悠仁殿下には、最小限のご公務以外は

削っていただかなければ困ります。いっそ学校など行かずいち早くご結婚いただくことが

何よりに優先事項ではないでしょうか」(倉山満氏『決定版 皇室論』令和5年)


「永遠に皇位の継承は、不安定な宿命なのです。…今から将来を決めるのではなく、子孫を信じて委ねる」(同『嘘だらけの日本近世史』令和8年)


「とにかく日本の天皇制というのは男系で繋がってきたことに意味がある。今の天皇から繋いでいけば40年はもつ。日本にはいざというときに“神風”が吹くのだから大丈夫だ」

(安倍晋三氏、御厨貴氏の証言による「文藝春秋」令和3年11月号)


「男系か、それ以外かで国民が分断されて『文化戦争』のようになってしまうのが、最も良くない。…天皇や皇室は、合理的にコントロールできる存在ではないが、自然に任せて放置すれば、このまま消えてしまうかもしれない。このジレンマを解消するためには、もはや『神風』が吹くのを待つしかないのではないか」(辻田真佐憲氏「文藝春秋」令和7年9月号)


これらの発言に対して、敢えてコメントする必要はないだろう…。



▼追記

4月7日、漫画家の小林よしのり氏から新刊『神功皇后論』を恵送戴いた。ご好意に感謝する。

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