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  • 執筆者の写真高森明勅

養子縁組で皇族になった旧宮家子孫男性の妻子は皇族か国民か


養子縁組で皇族になった旧宮家子孫男性の妻子は皇族か国民か

これから始まる国会協議では、残念ながら有識者会議の提案を土台にすることになる。

しかし同提案は、単に安定的な皇位継承という本来の課題に対して「白紙回答」というだけでなく、目先だけの皇族数の確保策としても「空欄」が目立つ。


例えば、養子縁組で皇族になった旧宮家子孫男性の妻子は、皇族か国民か。


先ず、養子本人は皇族になっても皇位継承資格を持たないプランだ。

又、養子縁組の時点で既に結婚していて子がいても(こういうケースまでも許容しようとしていることに呆れるが)、その子は「養親」との親族関係を持たず、皇族にはしないという(「ことも考えられます」報告書12ページ)。


ここでも、皇族と国民が“一つの世帯”を営むという無茶なケースを、当たり前のように想定している。皇室と国民の厳格な区別という感覚が皆無だ。それはともかく、養子の家族関係については、僅かにこれだけしか言及がない。養子縁組の前に結婚した「妻」を皇族とするのか国民とするのかすら、明言しない。


更に縁組“後”に結婚した妻や、その妻との間に生まれた子は、皇族なのか国民なのか。制度化に当たり、検討した結果を明らかにすべきなのに、空欄のままで一切言及がない。妻子を“皇族”とした場合、元々皇族であられる「養親」とは無関係に、「養子」との結婚及び親子関係だけを根拠とするのか。


又、縁組後の子が男子なら皇位継承資格を認めるのかどうか。もしその子に皇位継承資格を認める場合、皇位継承資格を“持たない”親から生まれた子だけが継承資格を持つことを、一体どのように根拠付け、正当化するのか。天皇·皇后両陛下のお子様であられる敬宮殿下をはじめ内親王·女王方は現に皇族であられる。


にも拘らず、ただ「女性だから」という“だけ”の理由で、夫と子を国民とする理不尽なプランが提案されている。それとの兼ね合いをどう整理するのか。天皇から血縁が遥か20世以上も離れ、皇籍離脱から既に80年近く経過し、父親や祖父の代からずっと一般国民なのに、ただ「男性だから」という“だけ”の理由で、養子縁組で皇族になった旧宮家子孫の妻子は共に皇族とするのか(ちなみに内親王·女王は皆様、天皇からの血縁は1〜3世)。


そうしたプランは、大切な天皇とのご血縁=皇統よりも思考停止的に「男尊女卑」を優先させる暴挙と言う他ない。それを見破られたくない為に、敢えて空欄のままにしたのか(トリックの可能性については令和4年1月23日のブログ「政府の『男系』養子縁組プランにはトリックが隠されている?」で指摘した)。


それとも、元々リアリティが無いプランなので、制度としての完結性など気にしていないのか。


【参考ブログ】

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