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執筆者の写真高森明勅

なぜ男系か、危機にどう立ち向かうか、男系論者の主張を整理



皇位継承問題を巡って、「男系派と女系派が対立している」という誤解があるようだ。

しかし、“女系派”というレッテルに該当する主張や勢力は、存在しないはずだ。


皇位継承資格から男系を除外して女系だけに限定するとか、男系よりも女系を優先させるべきだという主張は、私が知る限りどこにも存在しないし、存在したらおかしい。


何故なら、女系容認論というのは、一夫一婦制と少子化が進む中で、明治以来の男系男子限定では皇位継承は行き詰まる他のない、という危機意識に立脚しているからだ。


その危機意識の当然の帰結として、皇位の継承を少しでも安定化させる為に、現在のような歴史上全く前例がない皇位継承資格の窮屈極まる縛りを、可能かつ妥当な範囲で緩和することを求めている。


男系“限定”が駄目なら、女系“限定”も同じく駄目なのは、自明だろう。


だから、もしシンプルに対立図式を描くなら、男系“限定”論者VS直系“優先”論者ーということになるだろう。それはともかく、男系論者の言い分とはどのような内容か。ここでは、最も根本的な2つの論点に絞って、改めて整理しておこう。


○そもそも、男系限定をこれからも維持し続けなければならない理由は何か?

「(伝統だから)そもそも理由などどうでもよい」(竹田恒泰氏『伝統と革新』創刊号)

「近代以来のモダンな政治の言葉では、どだい説明が出来ない」(谷口智彦氏『祖國と青年』令和5年8月号)


○予想されるよ皇位継承の行き詰まり、皇室存続の危機に立ち向かう具体策は?

「(旧宮家系子孫男性が皇籍取得することは)特攻隊に志願するほどの大きな覚悟と勇気を必要とする決断だろう」(新田均氏『別冊正論Extra14』) 

「復帰(皇籍取得)したいと思っている者はいるわけがありません。…私がベストと思っているのは…赤子のうちに(養子)縁組を行うことです」(竹田恒泰氏、令和5年7月27日投稿ポスト)

「(悠仁親王殿下はお世継ぎづくりが最優先なので)いっそ学校など行かずにいち早くご結婚いただくことが何よりに優先事項」(倉山満氏『決定版 皇室論』)

「天皇陛下にですね、側室をやっぱり持って戴いてですね、たくさん子供を作って戴く」(神谷宗幣氏、参政党動画、既に削除?)


以上、特にコメントを付け加える必要はないだろう。

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