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  • 執筆者の写真高森明勅

上皇陛下の90歳のお誕生日に際し「おことば」を振り返る

更新日:2月26日


上皇陛下の90歳のお誕生日に際し「おことば」を振り返る

12月23日は上皇陛下の90歳のお誕生日。

ご在位中のご献身を銘記し、深く感謝すると共に、心からお祝い申し上げる。

これまでの上皇陛下の「おことば」からいくつかを、謹んで掲げさせて戴く。


○昭和39年12月22日、31歳のお誕生日を前に。

「いったことは必ず実行する。実行しないことをいうのは嫌いです」


○昭和50年7月17日、沖縄にお出ましの際、「ひめゆりの塔事件」の後、予定になかった談話を発表された。

「私たちは沖縄の苦難の歴史を思い、沖縄戦における県民の傷跡を深く省み、平和への願いを未来につなぎ、ともどもに力をあわせて努力していきたいと思います。払われた多くの尊い犠牲は、一時の行為や言葉によってあがなえるものではなく、人々が長い年月をかけて、これを記憶し、一人ひとり、深い内省の中にあって、この地に心を寄せ続けていくことをおいて考えられません」


○昭和61年8月23日、夏の定例会見での文書回答から。

「現代の皇室は現代の国民に望ましいあり方でなければなりません」


○平成6年6月4日、米国ご訪問を前に招待記者からの質問への文書回答より。

「日本国憲法には、皇位は世襲のものであり、また、天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であると定められています。私はこの運命を受け入れ、象徴としての望ましい在り方を常

に求めて行くよう努めています。したがって、皇位以外の人生や皇位にあっては享受できない自由は望んでいません」


○平成23年3月16日、東日本大震災に際して公表されたビデオメッセージから。

「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、様々な形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います。被災した人々が決して希望を捨てることなく、身体(からだ)を大切に明日からの日々を生き抜いてくれるよう、また、国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者と共にそれぞれの地域、復興の道のりを見守り続けていくことを心より願っています」


○平成25年12月18日、80歳のお誕生日を前。

「天皇という立場にあることは、孤独とも思える」


○平成28年8月8日にビデオメッセージとして公表された

「象徴としてのお務めについての」おことばから。「これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました」


○平成30年、12月20日、天皇として最後のお誕生日を控えられて。

「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵(あんど)しています」


○平成31年4月30日、退位礼正殿の儀での「おことば」から。

「即位から30年、これまでの天皇としての務めを、国民への深い信頼と敬愛をもって行い得たことは、幸せなことでした。象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します」

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