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  • 執筆者の写真高森明勅

側室なき「男系男子」限定は先例・前例がない非伝統的なルール


側室なき「男系男子」限定は先例・前例がない非伝統的なルール

皇室の伝統は、神武天皇以来、例外なく男系継承が維持されて来たこと、よってそれを死守すべし、という意見がある。

これについて、神武天皇の実在を巡る立ち入った議論はさておき、又、「男尊女卑」的な観点からは男系継承のように見えていても、同時代の法的枠組みに照らすとそうと言えないケースがあった点などもさておき、一点だけ指摘しておく。


それは、これまでの皇位継承は、側室から生まれた非嫡出子・非嫡系子孫によって支えられて来た、という疑う余地のない事実があることだ。過去の実情については、さしあたり清水正健編『皇族世表・皇族考證』、帝国学士院編『帝室制度史』第3巻、神社本庁教学研究所編『皇室法に関する研究資料』などを参照。


従って、もし“伝統”という言葉を使うならば、「男系+側室」というセットこそがそれに当たる。

側室が不在で、非嫡出子・非嫡系子孫の皇位継承可能性を全く排除し、なおかつ「男系男子」限定、というムチャな皇位継承の在り方は、伝統どころか、かつて先例・前例がなかった。


だから、男系限定を維持すべきだと主張したいなら、側室復活論と“セット”で唱えなければ、「伝統」に叶わない。それにリアリティーがあるかどうかは、ともかく。



追記


〇7月23日のイベント「愛子さまを皇太子に」では、第2部に斬新な企画が組み込まれた。私は事前に、詳しい内容を聴かされていなかった。なので、控え室では「会場の反応を見て、盛り上がっていないようだったら、15分か30分ぐらいでさっさと打ち切りましょう。貴重な時間を無駄にしたくないので」と提案していた。


しかし、私が予想していたよりも、担当のお2人(及び関係者)は遥かに入念かつ熱心に準備を重ねておられたようだ。当日、会場は大ウケで、この(私にとってはいささか唐突な)企画と

少し距離を取るつもりだった私まで、巻き込まれてしまった。お二人(及び関係者)のご努力に敬意を表する。


〇同イベント後、作詞家の森由里子氏がわざわざ控え室までお越しになって、ご高著『新時代のアマテラス 愛子天皇の未来へ』を戴いた。この方は、これまでTVアニメ「ドラゴンボール」の主題歌や中森明菜、安室奈美恵、郷ひろみ、ももいろクローバーZなどの作詞を手掛けて来られたようだ。ご好意に感謝。


〇今月のプレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」は7月28日午前8時から公開予定。

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