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  • 執筆者の写真高森明勅

旧宮家プランに誘導する有識者会議報告書の心理的トリック?


旧宮家プランに誘導する有識者会議報告書の心理的トリック?

脳科学者で東京大学教授の池谷裕二氏が興味深い指摘をされている。 カレー店を経営していると仮定して、人間の心理を利用したメニューの工夫で、売り上げを伸ばす方法がある、と(『脳は意外とタフである』)。


元々のメニューは以下の2品。 ①普通のカレー=1000円 ②特製カレー=1500円

この二者択一だと、注文はより安価な①に流れがち。 しかし、メニューにもう1品加えるとどうか。


①普通のカレー=1000円 ②特製カレー=1500円 ③極上カレー=4000円


この三択では、高価な③を敬遠し、②が安価に感じられてこれを選ぶケースが増えるというのだ。現在、政府が国会に検討を委ねている皇族数の(目先だけの)確保策を提案した有識者会議報告書も、同じような三択になっている(必ずしも択“一”ではないが)。


①内親王・女王がご婚姻後も皇族の身分を保持し続けられる(しかし配偶者やお子様は国民!)。 ②旧宮家系国民男性“だけ”が、これまで禁止されている皇室への養子縁組を認められて、新しく皇族の身分を取得する。 ③現在の皇室の方々とは全く無縁に、法的措置だけで旧宮家系男性が新しく皇族の身分を取得する。


これらのうち、③はいかにも無茶苦茶。勿論、②も重大な問題を抱えている。だが、よりぶっ飛んだ③に比べると少しは“まとも”に見えてしまう、という心理的な錯覚が生まれる(①すら“火中の栗”を拾うような気がする人もいるかも)。


先のカレー屋さんが、売れなくても全く問題がない③をメニューに加えて、巧妙に“本命”の②の売り込みを図ったのと、似た手口だ。


追記


先日、柄にもなく一般的な「運動(ムーブメント)」論めいたことを書いた。そこで、過去の成功事例を振り返りつつ、新たな立法や法改正を目指す運動なら①ロジック構築②世論喚起③政界対策が欠かせない、と書いた。


すると早速、重大な欠落があるとの指摘を受けた。それは④資金手当て(!!)。お恥ずかしい。いかにも、金銭とほとんど無縁な人生を歩いて来た私らしい見落とし、と言うべきか。


元号法制化運動は強力な宗教団体などが推進母体になっていたから、恐らくそうした組織が資金面のバックアップもしていたのだろう。


「昭和の日」制定運動の場合は、新聞広告費などについて、帝国警備保障・伊達物産・敷島建設など、志ある企業から支援を仰いでいた。改めて関係各位のご厚情に感謝したい。


私が事務局長を拝命していた頃の「新しい歴史教科書をつくる会」は、1万人余りの会員がいて、会費やイベント収入、寄付金など年間で約1億円ほどの資金で、運動を賄っていたと記憶する(こちらは今のところ、まだ成功事例とは言えないかも知れないが)。


今ならクラウドファンディングなども活用できるだろう(例えば、1人の女子学生が実家の〔由緒ある!〕うどん屋を救うべく、クラウドファンディングによって、限られた期間に数百万円を集めた実例も、聞いている)。しかも、デジタル技術を駆使すれば、遥かに安価で手間暇も省いて、より効果的な世論喚起が可能だろう(私自身はその方面についてとんと不案内ながら)。もはや昭和30年代のように、“凧揚(たこあ)げ”が有力な(?)アピール手段だったような時代ではないのだから。


…と言っても、ひょっとしたら若い世代では凧揚げ自体をやったことがない人達も現れているかな。

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