• 高森明勅

「女性天皇」「女系天皇」容認への思考プロセスのおさらい


「女性天皇」「女系天皇」容認への思考プロセスのおさらい

改めて、皇位の安定継承を願うなら「女性天皇」「女系天皇」を認めなければならないという結論に至る思考プロセスを、ごくシンプルにおさらいしておく。



〈1〉現状認識


天皇陛下の次の世代の皇位継承資格者は秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下ただお1方(!)だけ。皇位継承、皇室存続の将来は危機的状況にある。


早急に手を打たないと、敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下をはじめ未婚の女性皇族方がご結婚によって皇籍を離れてしまわれる。そうした状況では、畏れ多いが悠仁殿下のご結婚も、ご結婚相手はお1方以上の男子(!)誕生を強烈(!!)に求められるので、至難となる。絶対にあってはならないが、テロの危険性も高まるだろう。 



〈2〉危機の背景


こうした危機的状況をもたらした背景として、“3つの要因”を挙げることができる。


①偶然的要因

秋篠宮殿下から悠仁殿下まで、今のルールでは皇位継承資格をお持ちでない女性皇族(内親王・女王)ばかりがお生まれになった。


②政治的要因

被占領下に、男系では血縁が極めて遠い11宮家が、皇籍離脱を余儀なくされた(うちいくつかは女系〔!〕を介して血縁が近くなっていたが)。


③構造的要因

明治の皇室典範以来の、皇位継承資格を「男系男子」に限定する(=女性・女系を排除する)窮屈な“縛り”をそのまま踏襲しながら、そうした制約下での継承を支える為に不可欠(!)な、側室制度も非嫡出子・非嫡系子孫の継承資格も、否定された。



〈3〉危機打開の方向性


上記①②③について、それぞれ個別に見る。


①については、過去の事実として認めるしかない(しかも今後も同様のことが起こり得る)。


②については、憲法が“門地(家柄、家格)による差別”を名指しで禁じているので、憲法の附属法である皇室典範の要請に過ぎない「男系男子」を確保する為に、とっくに国民の仲間入りをしている旧宮家系男性など“だけ”を特権的(!)に、養子縁組又はその他の法的措置で皇籍取得を

可能にすることは、国民平等の原則に反し、認められない(憲法上の要請はあくまでも皇位の「世襲」で、男性・女性、男系・女系を含む)。


③は皇室典範の改正でたやすく対応できる。



〈4〉具体的な方策


皇室典範を改正して、側室を前提とした非嫡出・非嫡系による継承可能性と“セット”でしか維持できない「男系男子」限定を解除し、女性天皇・女系天皇・女性宮家を可能にする(改正案の中身は拙著『「女性天皇」の成立』参照)。


以上。


要するに、「男系男子」限定は“皇室廃絶→無血革命→共和国万歳!”への道であり(この根底にあるのは、外来文明の影響を背景に、社会の中で“武力・暴力”が重大視された時代に固定観念となった「男尊女卑」の価値観)、「女性・女系」容認は“君が代は千代に八千代に”への道(それは、「女性尊重」というわが国本来の伝統への回帰でもある)ということだ。

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