日本の周囲は核武装国が取り巻いている。
ロシア、中国、北朝鮮。
どの国も、お世辞にも“平和愛好国”とは言えない。
日本との関係も、ロシアとはいまだに講和条約が結ばれていないから、国際法上は「戦争」状態が続いている(にもかかわらず安倍晋三元首相の決断により過去6年間だけで約200億円の経済援助を行っている)。
北朝鮮についても、国際法上、朝鮮戦争は終結しておらず、一般には余り知られていないかも知れないが、北朝鮮との戦争を担う朝鮮国連軍の後方司令部が現在、横田飛行場(東京都福生〔ふっさ〕市)に存在している(外務省ホームページ「朝鮮国連軍と我が国の関係について」など参照)。
中国とは平和友好条約を結んでいる(昭和53年)。
だが尖閣諸島を巡る対立をはじめ、とても友好的な関係とは見なし難い。
にもかかわらず、何故か警戒心が薄い。
例えば核シェルターの普及率は、折に触れて唯一の戦争被爆国であることを強調して来たはずの日本が、異様に低い。
スイス・イスラエルが100%、ノルウェーが98%、アメリカが82%、ロシアが78%、イギリス67%なのに対して、わが国はわずか0.02%という(日本核シェルター協会が2014年に公表した数字。熊谷裕人参院議員〔立憲民主党〕の質問主意書から再引用)。
核脅威への驚くべき鈍感さ。平和ボケも甚だしいと言うべきか。
改めて考えてみると、日本人の多くは、ロシア・中国・北朝鮮の核兵器よりも、わが国が自ら核武装することの方を警戒しているのではあるまいか。
普通ならあり得ない異常な心理ながら、どうやらそれが実情のような気がする。
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