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  • 高森明勅

敬宮殿下をお詠みになった天皇・皇后両陛下の御製・御歌


天皇皇后両陛下と愛子内親王殿下

3月21日に宮中三殿で厳粛に執り行われた春季皇霊祭・同神殿祭では、天皇・皇后両陛下が殿内にてお揃いで祭典に携わられ、敬宮(としのみや、愛子内親王)殿下も成年皇族として庭上にてご参列になられた。有難い。


いささかの感慨を込めて、これまでの20年間に両陛下が敬宮殿下についてお詠みになった御製(ぎょせい)・御歌(みうた)から、謹んで何首かを掲げさせて戴く。


なお、敬宮殿下がお生まれになったのは平成13年12月1日だった。念の為に。


まず御製から。


平成16年の御製。


すこやかに

育つ幼なを

抱(いだ)きつつ

幸(さち)多かれと

わが祈るなり


同18年。


いとけなき

吾子(あこ)の笑まひに

いや(癒)されつ

子らの安けき

世をねが(願)ふなり


以下は御歌。


皇后陛下がこの間、(残酷かつ執拗なバッシングが集中した時期があり)長くご療養を続けて来られた事実も心にとめて、拝読して欲しい(平成15年に、それまで続けて来られたお誕生日に際しての記者会見がお取り止めになり、翌年から文書のみ。同23年からは医師団の見解も公表)。


平成14年の御歌。


生(あ)れい(出)でし

みどり児のいのち

かがや(輝)きて

君と迎ふる

春すがすが(清々)し


同16年。


寝入る前

かた(語)らひすごす

ひと時の

吾子の笑顔は

幸せに満つ


同17年。


紅葉(もみじ)ふかき

園生(そのう)の道を

親子三人(みたり)

なごみ歩めば

心癒えゆく


同19年。


月見たし

といふ幼な子の

手をとりて

出(い)でたる庭に

月あか(赤)くさ(射)す


同20年。


とも(灯)さるる

燭(しょく)の火六つ

願ひこめ

吹きて幼なの

笑みひろ(広)がれり


同21年。


制服の

あかきネクタイ

胸にとめ

一年生に

吾子はなりたり


同25年。


十一年前

吾子の生れたる

師走の夜(よ)

立(たち)待ち月は

あかく照りたり

(立待ち月=陰暦17日の夜の月)



同29年。


那須の野を

親子三人で

歩みつつ

吾子に教ふる

秋の花の名



最後に、今年(令和4年)の歌会始での敬宮殿下のお歌を。


英国の

学び舎(や)に立つ

時迎へ

開かれそ(初)むる

世界への窓



天皇陛下ご一家のこの20年の歳月は、国民としてまことに申し訳ないことながら、決して平坦とばかりは言えなかったと拝される。


しかしお詠みになった和歌からは、愛情と幸せに満ちていらっしゃるご様子が伝わり、温かく嬉しい気持ちになる。天皇・皇后両陛下、敬宮殿下のいよいよのお栄えを祈り上げる。

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