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執筆者の写真高森明勅

「誡太子書」血筋だけでなく“徳”を身に付ける大切さを強調


「誡太子書」血筋だけでなく“徳”を身に付ける大切さを強調

天皇陛下が繰り返し言及しておられる花園天皇の「誡太子書(かいたいしのしょ)」。

実に激しい内容だ。


例えば、次のような一節も。


「皇太子の周囲の愚人が、媚びへつらって、こんなことを言うかも知れない。

『わが国において天皇たるべきは万世一系の血筋の方と決まっている。他国が王朝交替を繰り返して来たのとは事情が違う。血統の権威があり、祖先や神々の助けもあるので、むやみに優れた人格的価値(徳)を身に付ける為の努力をしなくても大丈夫』と。

しかし、それは全く間違いだ」(意訳)


単に血統だけでなく、天皇たるに相応しい人格的価値を身に付ける努力の大切さを強調している。 


天皇陛下が「研鑽(けんさん)」という言葉をキーワードにしておられるのも、長年にわたって同書の教えを拳拳服膺(けんけんふくよう=両手で物を捧げ持つように、しっかりと心に銘じて守り行うこと)して来られたからに他ならないだろう。

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