top of page
  • 執筆者の写真高森明勅

有識者会議は肝心な課題=皇位の安定継承から何故逃げ出した?


有識者会議は肝心な課題=皇位の安定継承から何故逃げ出した?

本来、皇位の安定継承を可能にする制度のあり方を検討する課題を担うはずだった有識者会議。

しかし、その設置目的を自ら否定し、無理筋で現実味のない皇族数の確保策(?)に逃げ込んだ。


どうして、そんな不誠実で情けない結末を迎えることになったのか?


《旧宮家案は皇位の安定継承に寄与しない》


その謎を解く手掛かりは、旧宮家案に通じる国民の中の皇統に属する男系の男子を養子縁組で皇室に迎える案を、皇位の安定継承への方策ではなく(!)あくまで“皇族数確保策”として、同会議が位置付けている事実にある。


この事実は、側室制度が無く、非嫡出・非嫡系による皇位継承の可能性が排除されている条件下で、継承資格を「男系男子」に限定していては、その方策によって安定継承が決してもたらされ“ない”のを、同会議が十分に承知していることを示している(改めて指摘するまでもなく、皇位の継承と宮家の存続は、共に側室制度に支えられて来た)。


更に、内親王・女王がご結婚後も皇族の身分にとどまられても、そのお子様が皇族の身分を持たず、当然、皇位継承資格も無いという無理な制度も、もっぱら“皇族数確保策”とされているように、それが皇位の安定継承に何ら寄与しないことも分かっているのだ。


逆に言えば、それら“以外”こそ、皇位の安定継承に有効な方策であることを知っている(!)と考えねばならない。


《女性・女系天皇という正解を知っていた》


しからば、有識者会議がヒアリングで提示した選択肢から、上記のプランを除いて残る有効な方策とは何か。


女性・女系天皇、女性宮家だ。


つまり、同会議は皇位の安定継承への“正解”をとっくに知っていたとしか考えられない。


むしろ、女性・女系天皇、女性宮家を認めなければ皇位の安定継承は確保されないこと(皇位の安定継承への方策=女性・女系天皇と女性宮家、小泉内閣に設置された「皇室典範に関する有識者会議」の報告書の結論)を知っていた。


だからこそ、(頑固な男系派の反発を恐れて)政治的配慮からそこに“手を着けない”為に、安定継承という肝心な課題から全面撤退して、敢えて無理筋で非常識な皇族数の確保策(?)に迷い込まざるを得なかった。


―そういう結論になる。


何とも情けない話だ。


Comments


bottom of page