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  • 執筆者の写真高森明勅

「保守」知識人の皇室バッシング

更新日:2021年5月25日


皇室を敬愛し、今後の末永いご発展を願う者にとって、どうしても見逃せないのは、これまで繰り返されて来た皇室への心ない“バッシング”だ。


中でも、「保守系」知識人による執拗な誹謗中傷が幾度も行われて来た事実は、異常と言う他ない。


例えば、(個人的には、以前に些かご縁があったので、ここで取り上げるのは少し気がひけるが)西尾幹二氏。


月刊誌『WiLL』平成20年5・6・8・9月号に「皇太子さまに敢えて御忠言申し上げます」シリーズを書き続けた(“忠言”とは真心を尽くして諌める言葉、又はその事)。


「御忠言」という殊勝なポーズは、タイトルだけの話。中身は、確かな事実に基づかないで、不遜、不敬な言辞を連ねたものだった。


悪質なバッシングに悩まれ、長いご療養を続けておられた皇后陛下(当時は皇太子妃)に対し、ご公務が果たせないなら、実家が「引き取るのが筋」(小見出し)と言い放ち、「天皇制度の内部に入ってそれを内部から少しずつ崩しているいわば獅子身中の虫」と迄、極言した(5月号)。あろうことか、皇后陛下を名指しして、“獅子身中の虫”と断罪したのだ。


その上で、皇室ジャーナリストの松崎敏彌氏の「場合によっては秋篠宮への皇統の移動も視野に入れる必要がある」との、まさに“廃太子”を企むに近い言葉をわざわざ引用して、自らの本心を滲ませた。


同氏は、天皇陛下をはじめ皇室の方々を「彼ら」呼ばわりした上で、遂に以下のような“恐ろしい”発言を行った。


「私は皇太子ご夫妻(天皇・皇后両陛下)が…皇族としてのご自覚にあまりにも欠ける処があることをはっきり申し上げた。国家ということ、公ということをお忘れになっていないか。日本の国民と一緒に共感共苦するお心ざしがあまりにも乏しいのではあるまいか。一口で言えば『傲慢』の罪を犯しておられるのではないか。


…『国難』について私は語ってきたつもりだ。それは皇太子妃殿下(皇后陛下)の心に宿る『傲慢』の罪に由来すると見た」(6月号)引用することすら申し訳なく、畏れ多くて、憚られるような暴言だ。これほど迄の「『傲慢』の罪」を、私は他に余り見たことがない。


これらの記事が載った時の同誌の編集長は、花田紀凱氏。かつて、『週刊文春』が上皇后陛下(当時は皇后)へのバッシングを繰り返し、果てに上皇后が悲しみとお疲れの余りお倒れになり、半年もの間、失声症に苦しまれた時の編集長も同じ人物。


又々「売れるので続けたと思います」(その頃、『週刊文春』編集部にいた人物)だったのか。

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