• 高森明勅

台湾への防衛サポート



「最強の戦略家」と称されるエドワード・ルトワック氏。日本に対して以下のようなアドバイスをされている(『月刊Hanada』3月号)。


「日本が台湾に関してやらなければならないことは、彼らの抑止力を上げるということだ。これは以前から言っているように、日本の対外政策の制限内でやれること、つまり『日本版のスウェーデン政策』を実行することである。


冷戦中、スウェーデン王国はソ連の脅威を感じていたフィンランドの抑止力を高めるために、非公式な物的援助を行っていた。その1つの例が、いざとなった時に大量の対戦車砲をフィンランドに運ぶという取り決めだった。


…それだけではない。スウェーデンは過剰ともいえるほど空軍力を強化することも行っていた。その力は欧州最大レベルと言えるもので、これもまた、いざというときにフィンランドへ空軍力を提供する目的があった。…公式には何も語られていないが、スウェーデン軍はフィンランドとの国境に近い北部に精鋭部隊を配備していた。これはフィンランドからの侵攻を防ぐためではなく、ソ連がフィンランドになだれこんできたときのために備えた部隊だった。


…お分かりいただけるだろうか。日本も同じようなことができるのだ。たとえば、何も言わずに台湾から160キロ以内に部隊を配備することができる。…イギリスがたった1隻の原子力潜水艦で南太平洋のアルゼンチン軍を沈黙させることができたことを考えれば、日本の『そうりゅう』型の潜水艦が4隻あれば台湾海峡は制圧できる。中国の水上艦は、空母を含めて敵ではない。


日本は日本版スウェーデン政策をとるべきであり、日本にはその能力があるのだ。…台湾を守らないということは非常に思慮に欠けたことだと言える。なぜなら経済力面だけを見ても、台湾が侵攻された直後に東京株式市場は暴落するからだ。その打撃は計り知れない。


…『台湾が支援を受けられるかどうか』が重要なのだ。日本の国益を考えたら、何も言わずに台湾の抑止力を上げる『スウェーデン方式』のようなやり方を考えて真剣に実行すべきなのだ。台湾に関しては何も言わず、地対艦ミサイルを大量に購入するといったことも1つの有力な策だろう」(奥山真司氏、取材・構成)


政府は果たして、こうした台湾支援策を、「何も言わず」にやれるのか。

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