新型コロナウイルス感染症がどの程度、恐ろしい病気なのか。その実態については、PCR検査の陽性者(その多くは無症状又は軽症)と共に、重症者の人数を知っておく必要がある(死者は昨日、取り上げた)。
緊急事態宣言発令決定の直前、1月6日時点での年齢別の数は以下の通り(東洋経済オンライン「新型コロナウイルス 国内感染の状況」より)。80代以上―68人、70代―126人、60代―89人、50代―53人、40代―17人、30代―0人、20代―0人、10代―0人、10未満―0人、年齢不明―8人。
先ず目を惹(ひ)くのが、年齢判明者では、30代以下の重症者が0人という事実だ。例えば、20代のPCR陽性者は5万8346人。なのに、(死者2人を除き)全て無症状か軽症、あるいは既に回復済みということ。これだけの数の陽性者の中には、危惧すべき基礎疾患を抱えている人もいるはずだが(上記の重症者の中、基礎疾患が深く関わっている例は少なくないだろう)。
改めて言う迄もなく、こうした数字の背後に、医療現場における懸命のご努力があることを見逃すべきではない。連日、テレビなどで大きく報道される陽性者(メディアでは、しばしば“感染者”という、些〔いささ〕か不正確な表現が遣〔つか〕われている)の数だけに目を奪われていると、こうした実情が見えなくなってしまう。