• 高森明勅

有識者会議は出来レース?



有識者会議は出来レース?

自ら「安倍首相のブレーン」と称する八木秀次氏。

「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」に取り組むはずの有識者会議について、以下のような発言をされている。


「実は、有識者会議の結論はすでに見えています。それは『女性宮家創設』と『旧宮家の皇籍復帰』の2案を両論併記するというものです。今回の会議は、1つの方向性を打ち出すのではなく、政府として初めて旧宮家の復帰をオーソライズすることに重きを置くわけです。国民の理解が進んでいないことを踏まえつつ、総理は最終的にソフトランディングさせたい。その第一段階として秋の会議を捉えているのだと思います。現に総理は、野党時代の終盤に旧宮家の方々と知り合い、今もお付き合いが続いていると聞いています」と(「週刊新潮」10月3日号)。


とても正直な人物だ。有識者会議が設置される前から、既に“ゴール”が決まっている事を、明け透けに語っている。有識者会議が“出来レース”というのは、これまでも多くの人々が感じて来た事だろう。


しかし、首相周辺の1人と見られている人間が、まだメンバーの人選も決まっていない段階で、こうまで露骨に手の内を明かしたのは前代未聞ではないか。随分、国民を馬鹿にした話だ。首相の「ブレーン」が予(あらかじ)めこんな発言をすれば、人並みにプライドを持つ「有識者」なら、既に結論が決まった猿芝居の片棒を担ぐメンバーに加わるのは、当然ながら辞退するだろう。


逆に、メンバーに加わるのは、猿芝居を承知の上で、政府の敷いたレールに沿って“議論のフリ”をするのに、何の違和感も抱かない人達だけ、と見られてもやむを得ない。八木氏の発言を、政府の驕(おご)り、緩(ゆる)み、弛(たる)みの現れ、と腹立たしく受け取る人がいるかも知れない。だが、恐らくそうではあるまい。ただ八木氏が根っからの正直者で、全体状況を把握する能力が少し欠けているだけだ。


なお昨日のブログの「備え」は勿論、誤記。「供え」に訂正する。

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