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  • 執筆者の写真高森明勅

野党は甦るか?

更新日:2021年1月20日

野党は甦るか?

安倍政権への支持率が下がっている。しかし、新型コロナウイルスへの対策で、恐怖症の余り、社会経済の活動に再びブレーキをかけることを望んで、不支持に回っている人々も少なくないのではないか。ならば、少し首を傾(かし)げる。


それにしても、安倍政権の功罪を考えると、これほど長期に亘(わた)って存続して来た背景には、国民の信頼に足る野党が存在しない、という残念な事実があった。そこに現在の政治の最大の不幸がある、と言っても敢えて過言ではあるまい。


一瞬(だけ)、政権交代に繋がるかとも思わせた、小池百合子氏の「希望の党」はたちまち“失望の党”に転落。そこから弾き出された枝野幸夫氏が立ち上げた、立憲民主党にも注目が集まり、私も一時は期待したものの、当初から懸念されていたミニチュア版「第2社会党」への道を、まっしぐらに進んでしまった。


そうした中で、“永田町の論理”丸出しの立憲民主党と国民民主党の「合流」話を冷ややかに眺めていたら、玉木雄一郎・山尾志桜里両議員らが「理念と政策」の大切さを掲げて、合流を蹴飛ばした。又々裏切られるかも知れないけれど、私にとっては興味深い展開だ。決裂の底流にあるのは、憲法への姿勢だと睨(にら)んでいる。


立憲民主党は、「立憲」の看板を掲げながら、事実上の「護憲(=非立憲)」政党に沈没してしまった。それに抗して、憲法を“甦らせる”為に改憲を目指す、本気の「立憲」野党が登場すれば、与党の緊張感も違ってくるだろう。日本の政治シーンは刷新されるのではないか。


勿論、その為には、有権者の質も問われる。我々の未来の為に、新しい希望の芽を大切に育てられるかどうか。それは国民自身の責任に委ねられている。


9月ゴー宣道場のゲストは、今、岐路に立つ日本政治の将来を一身に担っておられる、玉木雄一郎・山尾志桜里両議員。どんな討議になるか。私も今から楽しみだ。


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