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執筆者の写真高森明勅

読売テレビ、日本教師塾

更新日:2021年1月18日

読売テレビ、日本教師塾

7月18日、大阪の読売テレビへ。26日放送の「そこまで言って委員会NP」の収録の為。

テーマは「右翼VS左翼」。


番組の終わり頃の「女系天皇に賛成か、反対か」というコーナーのゲストとして出演する(このコーナーと全体のテーマとの整合性がもう一つよく分からないが)。私の基本的なメッセージは、側室不在で非嫡出の継承可能性が排除された条件下では、「明治以来の『男系男子』の縛りを維持していては皇位の安定継承は望み難い」というもの。


旧宮家系国民男性が新しく皇籍を取得するという方策の困難さを、少し丁寧に説明した。

他の出演者はジャーナリストの門田隆将氏、産経新聞の阿比留瑠比氏など。コーナーの終わりで、司会の辛坊治郎氏は「半分冗談だけど、側室を復活するしかない」、竹田恒泰氏は「旧宮家の赤ちゃんを皇室に入れれば大丈夫」という趣旨の発言を、少し平常心を失った感じで、それぞれ叫んでおられた。編集でカットしないで、そのまま放送して欲しい。


事前に娘から、新大阪駅に美味しい肉マン屋さんがあると教えられていた。帰りに買おうと思っていたものの、行列の長さが半端じゃなかった。新幹線の出発に間に合わなくなるので断念。テレビ局が用意してくれた弁当を食べながら帰った。


19日、日本教師塾。

テーマは「日本書紀・前編」。W先生が、僅か60分で日本書紀30巻の全体を、「神代(かみよ)」から持統天皇まで、漏らさずに解説された手際の良さに驚いた。さぞや時間を掛けて入念な準備をされて来たに違いない。改めて敬服した。参加者にとって極めて有益な時間だったはずだ。


私は、歴史を学ぶことの意義から話を始めて、「日本書紀」という書名自体から読み取れる同書の基本姿勢を、「古事記」と比較して述べた(基本となる対立軸が、書紀は内―外、自―他なのに対し、古事記は古―今)。正格の「漢文」で書かれていながら、「和訓」での訓(よ)み方にこだわる態度に見れられる、普遍志向と独自志向のバランスという、現代にも通じる問題ついても、言及した。


メインは、書紀の魅力を、そこに描かれた具体的な人物像から伝えよう、と考えていた。

神功皇后、海人(あま)の男狭磯(おさし)、河内馬飼首荒籠(かわちの・うまいのおびと・あらこ)、調吉士伊企儺(つきのきし・いきな)とその妻・大葉子(おおばこ)、大伴部博麻(おおともべの・はかま)などを取り上げるつもりだった。


しかし、それ以前の全体的な解説に多くの時間を費やしてしまった。その為、僅かに捕鳥部万(ととりべの・よろず)の飼い犬に触れただけに終わった。朝廷の軍勢に滅ぼされた物部守屋(もののべの・もりや)の家来だった万の奮戦ぶりと、その忠犬の健気な姿を、日本書紀は特筆大書した。そこに書紀編者の歴史への「志」を見ることができる。何とか、それに触れることはできた。


会の終了後、懇親会。

ここでは歓談の傍ら、参加者からの質問をどしどし受け付ける。図らずも、倭国の形成から、邪馬台国を経て大和朝廷の登場に至る歴史の流れについて、私の大まかな考え方を語ることになった。飛び入りで参加していた高森稽古照今塾受講者のS君は、自分が奉仕団の団長を務めた平成30年の皇居勤労奉仕での、上皇・上皇后両陛下のご会釈の際の感激的な場面を、嬉しそうに披露していた。更に二次会へ。この一次会・二次会の時間の方が長かったのではないか。楽しい一時(ひととき)だった。次の教師塾は9月。

どんなモデル授業が聴けるか、今から楽しみだ。

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