
女性宮家の最大の問題点?
女性議員飛躍の会編『皇位継承 論点整理と提言』に収められた発言には、残念ながらそのまま受け入れにくいものが多い。
例えば、こんな発言も。
「女性宮家の最大の問題点は、女性皇族との結婚を機に、皇室とは無縁な民間人の青年が突然皇族になってしまうということです。
…現在は本人同士のご意思が優先されます。
だから女性宮家は、どんな人が皇族になるかわからない極めて危険な制度だと思います」(百地章氏)
しかし、畏れ多いが皇后陛下にしても、上皇后陛下にしても、或いは秋篠宮妃の紀子殿下にしても、その他の妃殿下方にしても、皆様、元々は「皇室とは無縁な民間人」でいらっしゃった。
それが「本人同士のご意思が優先され」て、「結婚を機に突然皇族になって」おられる(勿論、皇室会議の同意が前提)。
それは「極めて危険」なことだったのか。
ところが、同じ論者が次のような発言もされている。
「民間ご出身の妃殿下でも5年、10年経てば立派な皇族になられています」と。
男性皇族のお気持ちに叶い、ご本人も勇気を持って皇室に嫁いで下さった妃殿下方。
あろうことか、そのような方々に対して、“上から目線”でよくこんな言い方が出来るものだと驚く。
元々ご立派な方々だからこそ、妃殿下として選ばれた。
その事実が見えていないのだろうか。
ご立派だった方々が、皇室に入られて“益々”ご立派になられている、と言うべきだろう。
しかし、それはともかく、この発言は先の「危険」発言と真っ向から矛盾するのではないか。
「皇室とは無縁な民間人」が「突然皇族なって」も、「5年、10年経てば立派な皇族になられています」ということであれば「極めて危険」なんて、とても言えないはずだろう。
それとも、男性皇族のご結婚なら大丈夫でも、女性皇族のご結婚だと「極めて危険」だと主張できる、客観的な根拠でもあるのか。
ちなみに女性宮家の場合も、これまでの男性皇族のご結婚と同じく、皇室会議の同意が前提となるのは当然だ。
だから「突然」という表現も、印象操作に近い。