皇后陛下がカイコのお世話
5月29日、皇后陛下は皇居内の御養蚕所(ごようさんじょ)にて、8~9センチ程に育った純国産種のカイコ「小石丸」に、皇居で育てた桑の葉を丁寧にお与えになった(給桑、きゅうそう)。
その時、カイコが桑の葉を食べる微(かす)かな音に、穏やかに耳を傾けておられたという。皇后陛下のお優しさが伝わる。
皇居での皇后陛下の御養蚕は、明治天皇の皇后だった昭憲皇太后が明治4年にお始めになったのが起こり。
途中、同6年の火災で蚕室が燃えて一旦、中断したことも。
大正3年には御養蚕所が建てられ、歴代の皇后が受け継いで来られた。
今の皇后陛下の御養蚕を巡っては、小学生時代に生物部のリーダーであられた事実を思い出す。
当時、田園調布雙葉(ふたば)小学校で生物部を担当しておられた岸田泰則氏の証言。
「雅子さまは生物部のリーダーで、学科の成績もよく、才能の豊かさを感じました。
自宅からイモリを持ってきて遊んだり、私が山で捕(と)ってきたヘビと遊んだり、いつも生き物と一緒にいる女の子でした。
…雅子さまは、皇后になられる1年ほど前に、美智子さまから皇后の大切な仕事とされる養蚕のお仕事を引き継がれると発表されました。
それまで一部に『雅子妃は虫嫌い』『元外交官は蚕に触れない』と風評があったのに呆れました。
雅子さまほど養蚕を楽しまれる方はいらっしゃらないでしょうから」
それにしても、全く事実からかけ離れた「風評」がまことしやかに語られていたものだ。
皇室について、今後もそうした事実に基づかない情報が、様々な形で流される恐れがある。
くれぐれも警戒しなければならない。
なお、昨日の「愛」という語の初出を巡るブログで『孟子』の引用に脱字があったので以下のように訂正する。
→愛人者人恒愛之、敬人者人恒敬之
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