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「人格論」ではなく「ルール論」こそ皇位継承問題の焦点

  • 執筆者の写真: 高森明勅
    高森明勅
  • 57 分前
  • 読了時間: 2分
「人格論」ではなく「ルール論」こそ皇位継承問題の焦点


去る9月6日、秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下の“19歳の”お誕生日に、皇室にとって40年ぶりの成年式が執り行われた。これについてはプレジデントオンラインの連載「高森明勅の皇室ウォッチ」で取り上げた(9月10日公開)。



この時の悠仁殿下のご態度が立派であられたことは、多くの国民の印象に残ったのではないか。

しかし一部に、その事実から直ちに、敬宮殿下が将来即位されることを望む声への疑問や否定に短絡する議論も、あるようだ。


或いは今後、悠仁殿下の“露出”を増やすことで「愛子天皇」待望論に対抗すべし、といった軽薄な論調も見られるのは、残念だ。


改めて述べるまでもなく、皇位継承問題の焦点は、国民の立場から皇室の方々の個別の優劣を比較·論評するごとき、非礼·不敬な「人格論」ではない。

そうではなくて、現在の皇室の危機を招いた皇位継承ルールが抱える“構造的な欠陥”=側室不在の一夫一婦制で少子化なのに男系男子限定というミスマッチを、いかに解消するかという「ルール論」だ。


その欠陥を解消しなければ、皇位継承はやがて行き詰まり、皇室の存続そのものが難しくなる。


逆にそれが解消すれば、健全なルールによって皇位継承の危機が緩和される。


それと共に、直系優先の原則が女性皇族にも適用されるので、結果として敬宮殿下が「直系の皇嗣」=皇太子になられ、次の天皇として即位されることが確定する。そういう順序だ。


結局、皇位継承問題を巡る議論の正否を判断する手掛かりは、以下の3つだけ。


①皇室の「危機」をちゃんと直視ししているか、どうか。

②その危機の「原因」を正しく探り当てているか、どうか。

③原因を探り当てたら、それを取り除いて「解決」に向かう姿勢があるか、どうか。


この3点に目を向けると、あらゆるゴマカシに惑わされず、ちゃんと正否を見破ることができる。



▼追記

①9月22日発売の「女性自身」と「週刊女性」にコメント掲載。

②プレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」の今月2本目の記事は9月24日午後4時に公開予定。 ※画像:宮内庁Instagramより


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