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女性の苦痛

執筆者の写真: 高森明勅高森明勅

女性の苦痛

女性の苦痛


4月14日の緊急シンポジウムのパネリストのお1人、矢部万紀子氏。


近刊の『雅子さまの笑顔』から。


「所(功)さんは、(「文藝春秋」平成29年7月号の座談会で)『皇族数の減少』という課題が眞子さまの婚約報道でリアルになった。陛下の初孫(はつまご)が皇籍を出てしまう意味は大きいと訴えていた。そしてこう言ったのだ。


<他の皇族女子の方々は『私たち、どうなるのでしょう?』とお考えのはずです。>グッときた。皇族女子は、私の隣にいる。そして、『私たち、どうなるの?』と叫んでいる。そんな感慨にとらわれた」


「『女性・女系天皇問題』が苦手だったのには、(「前提になる知識があまりにもない」以外に)実はもう1つ理由がある。

『雅子さまは、愛子さまが天皇になること、いやではないかな』と思っていた。その気持ちが、真正面から考えることのブレーキに、少しだけなっていた。『愛子天皇』が論理的にイエスでも、それによっていやな気持ちになる人がいるならイエスと言いにくいなあ。皇太子妃時代の雅子さまは、『天皇制』によって散々な目にあったわけだしなあ。漠然とそんなことを考えていたのだ。


少し俯瞰して言うならば、『制度』と『当事者の気持ち』を分けていいのか、逡巡していたのだと思う。『女性宮家』についても、同じような迷いがある」


「テレビを何気なくつけると…神武天皇以来の『男系男子』を守るべきで、『旧宮家の皇籍復帰』で安定的継承は出来ると述べていて、保守派のいつものそれだったので聞き流していた。だが、聞こえてきた1人のコメンテーターの意見に驚いた。弁護士の菅野朋子さんがこう言っていた。『私が1つ申し上げたいのは、女性・女系天皇を認めないということがどれだけ女性にとって苦痛か、女は男を産まなければいけないんですか。そこを強いられることになるんですよ』」


「(テレビ番組での)話は、愛子さまのことにも及んだ。愛子さまは、『お母さまが批判されるのは、自分が女の子だからだ』と自分を責めていただろう。菅野さんは、そう見ていた」「(天皇陛下の妹の)清子(さやこ)さまの抑制的な言葉からわかったのは、(内親王・女王の)『結婚退職』が前提である皇室の問題点だ。女性であるがゆえに、責任ある仕事を引き受けにくい。この問題の改善に『女性宮家』は有効だ。

…その仕組みを作った上で、責任ある仕事を引き受けていただく。これなら、すっきりする」


「上皇さまが使った『務め』という言葉。清子さまは『お務め』と表現していた。責任ある仕事を引き受けるのに、男も女もない。(今は民間にお入りの清子様は、まだ皇族でいらした33歳のお誕生日に当たり、“内親王”というお立場について、『私の場合…これまであまり女性皇族ということを意識することも少なかったように思います』と述べておられた)すごくシンプルだ。…『責任ある立場』に皇族女子が就く。それが愛子さまであっても、ちっともおかしくない」ー

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