緊急事態条項を論じる前提
新型肺炎の感染拡大を受けて、与党幹部に緊急事態条項を新設する為の憲法改正を唱える声が、強まっているとか。
私は憲法に緊急事態条項が無いことは、立憲主義の観点から重大な欠陥だと考えている。だから原則としては、同条項の新設に大賛成。どころか、遅すぎる位だと考えている。
だが、今般の特措法から「国会の承認」を除外したような考え方が与党に共有され、(山尾志桜里議員などを除き)野党も安易にそれに同調するごとき、国民の権利と民主的な手続きへの顧慮が丸ごと抜け落ちている状態が克服されない限り、立憲主義も民主主義も否定される結果に繋がりかねない。
現状では残念ながら、緊急事態条項を議論する土台そのものが欠けている、と断じざるを得ない。