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  • 執筆者の写真高森明勅

「立皇嗣の礼」では何も確定しない


「立皇嗣の礼」は辞退できない

「立皇嗣の礼」では何も確定しない


4月に予定されている「立皇嗣の礼」。誤解があってはいけないので書いておく。


秋篠宮殿下は、この儀式が行われて“初めて”皇嗣になられるのではない。これは「立太子の礼」も同様。既に皇太子なり皇嗣なりになっておられて、その事実を“儀礼として”改めて広く明らかにする意味を持つ。それ以上でも以下でもない。


だから、二重に勘違いしてはならない。秋篠宮殿下は令和元年5月1日、上皇陛下が譲位され、天皇陛下が即位された同じ瞬間に、皇嗣になられた。この儀式の前も後も、秋篠宮殿下が皇嗣でいらっしゃる“事実そのもの”には、何の変化もない。


そうである以上、この儀式によって、皇嗣が次の天皇になられることが確定する訳でもない。例えば、今の皇室典範の規定のままでも、立皇嗣の礼が行われた後に、理論上の仮定として、もし天皇・皇后両陛下に男子がお生まれになれば、その瞬間に秋篠宮殿下の皇位継承順位は「第2位」になられ、皇嗣の地位から離れられることになる。


次の天皇であることが確定しておられる皇太子(や皇太孫)の場合は、こうした「理論上の仮定」自体が成り立たない。


立皇嗣の礼によって、あたかも秋篠宮殿下が次の天皇として確定するかのような、錯覚に陥ってはならない(しかも客観的に考えて、ご年齢の制約から、実際に即位されない可能性が高いことは、既に指摘した通り)。

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