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光輝く女神

執筆者の写真: 高森明勅高森明勅

光輝く女神

光輝く女神


今年は日本書紀が編纂されて千三百年。その日本書紀の1・2巻が「神代」の巻。その神代・上(書紀1巻)第5段の正文に、皇室の祖先神で太陽の女神、天照大神(あまてらすおおみかみ)が出現した場面が描かれている。


イザナキ・イザナミ2神が「我々は既に日本の国土と山川草木を生んだ。次は地上の世界を治める神を生もう」と言って、最初に生んだのが「日の神」だった(但し、天照大神は余りにも尊貴なので地上ではなく、天上を治める)。当初はオオヒルメノムチ(大日メ〔霊+女〕貴)と呼ばれた。


出現した大神は眩(まばゆ)く光輝いていた。その様子が次のように描写されている。「光華(ひかり)明彩(うるわ)しくして、六合(くに)の内に照り徹る」(その光は華やかで、明るく麗〔うるわ〕しく、世界の隅々までも照らした。原文「光華明彩、六合之内照徹」)。


日本神話の大きな特徴は“最高神”が女性であること。その女神の登場は、男系社会であるシナ(唐)などの視線にも配慮したと考えられる正史(せいし)の中でさえ、鮮やかに表現されていた。このような神話を生み出した古代の日本が、「男尊女卑」の国柄だったとは、とても考えられない。


古代の神話に美しく描き出された“女性の輝き”を、わが国の未来に取り戻すことが出来るか、どうか。それは、現代日本が抱える決して小さくない課題だろう。わが郷里、岡山で初めて開催される3月ゴー宣道場のテーマは「女性が輝く時代は来るか?」。


幅広い参加を呼び掛ける。応募の締め切りは今日!


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