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執筆者の写真高森明勅

やっぱり政府は「旧宮家」に無関心?

更新日:2021年8月13日


政府は「旧宮家」に無関心?

2月10日の衆院予算委員会での山尾志桜里議員の質問は、水際立っていた。今の国会で、衆参、与野党を問わず、同議員のようなシャープな質問が出来る政治家が、どれだけいるだろうか。大切な論点を取り上げ、堅実な根拠に基づき、明晰な論理によって、感情的になることなく、切っ先鋭く迫る。議会人の颯爽たる模範だろう。


今回の質疑での取り分け大きな成果は、菅内閣官房長官から、旧宮家系国民男性の皇籍取得という方策に関わる、重大な答弁を引き出したこと。


即ち、対象者にこれまで意向を確認したことが無いだけでなく、今後も「考えていない」と。


対象者は、改めて言うまでもなく、皆さん国民。従って、どんな制度改正をしようと、ご本人が同意しない限り、皇室に迎えるのは、憲法上も、人道上も無理(何しろ男系論者からも「特攻隊に志願して戴くようなもの」といった表現が出て来るくらいだ)。にも拘らず、上記のような答弁。常識的に考えて、もしこれが虚偽でなければ、事実上、「そうした方策は採用しない」と言明したに等しい。


これは、ごく当たり前の現実的判断と言える一方、政府のこれまでの曖昧な態度を考えると、画期的な答弁だ。


追記。昨日のブログに「ご自身強いの」とあるのは「ご自身の強い」が正しい。

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