やや旧聞に属するが、次のようなニュース。
「政府は1月31日の閣議で、男系男子の旧皇族に関し、『1947年に皇族の身分を離れた方の子孫の現状は承知していない』とする答弁書を決定した。立憲民主党の熊谷裕人参院議員の質問主意書に答えた。政府は現在、安定的な皇位継承の確保策を検討しており、旧皇族の皇籍復帰も論点になっている」(時事通信1月31日11時32分配信)
記事中で「1947年に皇族の身分を離れた方の子孫」と「旧皇族」を同義に使っているのは勿論、間違い。
いまだかつて一度も皇族だったことが“ない”人達が対象だから、皇籍「復帰」という表現も正しくない。それはともかく、この答弁書をどう受け止めるか。にわかに事実とは信じにくい。皇位の安定継承は長年、切実な政治課題とされて来ている。旧宮家系国民男子の皇籍取得は、様々な困難が指摘され、又、中長期の安定確保には必ずしも繋がらないものの、一部にはこれも選択肢になり得るという意見が根強くある。
そうした状況を前提にすると、政府がひょっとしたら検討対象になるかも知れない人々の「現状」を、一切「承知していない」とは考えにくい。これも、安倍政権にしばしば見られる虚偽・隠蔽だろうか。
政府が虚偽・隠蔽に走る動機も、いくつか想像できる。逆にこれが事実なら随分、無責任な話だ。それとも、政府は端から旧宮家系男子の皇籍取得は、現実的な選択肢にはなり得ないとして、予め除外しているのか。