• 高森明勅

不思議な反論



不思議な反論


「週刊ポスト」(1月17・24日号)が「国論真っ二つの大激論21」という特集。その中の「女性天皇に賛成か、反対か」というテーマについては、私と麗澤大学教授の八木秀次氏が対立する形になっている。


八木氏は「感情論よりも先例に基づくやり方で」との主張。私は「国民の『8割の支持』こそが正しい声」と。八木氏は“国民の声”は「感情論ばかり」と一蹴する。しかし、私はそうした上から目線の議論を振り回す、国民から孤立した一握りの反対論者達について、以下のように批判した。


「こういう人たちは、上皇陛下のご成婚の時は『ミッチーブームなど軽薄で、皇室に対する敬意が失われる』と怒っていましたし、先の御代替わりに際しても、『譲位を認めれば二重権威が生まれて皇室がおかしくなる』などと反発していました。そういう“反対派”たちよりも、時代の変化とともにある皇室の姿を自然に支持してきた国民の声の方がよほど正しかったことは、すでに時代が証明しているのではないでしょうか」と。


同氏は、次のような反論も述べておられる。

「中には『愛子さまは天皇陛下のお子様として、そのお考えや思いを受け継いでいる』などといった、もっともらしい意見もありますが、天皇とは血統と伝統に基づく皇位継承のルールに従って即位する存在。『有能だから』選ばれるものではないのです」。


これは不思議な反論だ。

「有能だから」という理由で、女性天皇を認めるべきなどと考えている人が、どこかにいるのだろうか?


「天皇陛下のお子様として、そのお考えや思いを受け継いでいる」ことと「有能」かどうかは、全く別の話だ。伝統的な「継承のルール」の大切な一つの柱が直系継承を優先する考え方だったのは、改めて言う迄もない。


更に、氏はこんな発言も。


「仮に民間出身の女性天皇の夫が野心を抱き、自分の子供を天皇にしようとしたら、国民は果たして素直にその『天皇』に敬意を抱くでしょうか」と。これも奇妙な意見だ。


わが国には憲法と皇室典範がある。皇位の継承は、専らそれらの規定によって決まる。個別の皇族の「野心(?)」などとは無関係だ。しかも、天皇にお子様がいらっしゃるなら、「野心(?)」などとは関わりなく、その方の継承を優先するのがこれまでの直系主義の考え方だ。民間出身の上皇后陛下の「野心」で今の天皇陛下が即位された訳ではないのは改めて言う迄もあるまい。


同誌では、私の発言は以下のように整理されている。


「“反対派”は『皇位は男性が継承していくのが基本』などと、しきりと『先例を守れ』と主張します。けれども側室制度が認められていない中で、皇室典範で男性しか天皇になれないと規定している現状こそが、皇室にとって全く前例のないこと」


「天皇・皇后両陛下のお気持ちをまっすぐ受け継いで育った方が皇位に就かれた方が、国民の敬意をより集めるのではないでしょうか」


ちなみに同じ特集で、眞子内親王と小室圭氏のご結婚を巡り「進める」か「白紙」かで、小林よしのり氏と竹田恒泰氏が対立されている。

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