12月23日は上皇陛下のお誕生日。「上皇」になられて初めてのお誕生日をお迎えになり、86歳になられた。国民の1人として心からお祝い申し上げる。昨年まで、この日は「国民の祝日」だった。
上皇陛下は、来年3月末迄のお引っ越しを予定されているので、上皇后陛下とご一緒にその準備の為に多くの時間を割かれていらっしゃるようだ。くれぐれもご無理はなさらないで戴きたい。
週に2、3回は皇居内の生物学研究所にお足を運ばれて、現在は南日本に生息するオキナワハゼ属に関する新たな論文の作成に向けて、ご研究を進めておられるという。
何より「二重権威」化を避けるべく、細心の注意を払っておられると伝えられる。畏(おそ)れ多く有難い。そうしたご配慮もあり、国民の多くは見事なほどスッキリと切り替えているのではあるまいか。ご譲位の前には、一部の知識人から「二重権威」への懸念を強調する声が聞かれた。しかし私は、まさに陛下ご自身がその事に最も配慮されるはずだし、国民もきちんと切り分けられるに違いないと予測し、そのように公言して来た。
どちらの見方が正しかったかは、もはや明らかだろう。
「即位礼正殿の儀」の為に来日された外国王族をお招きした天皇・皇后両陛下主催の茶会に、上皇・上皇后両陛下が出席された事については、以下のような関東学院大学教授・君塚直隆氏の指摘に傾聴すべきだ。
「海外では退位した元国王や元女王が、王族の一員として公務を担う例も少なくない。上皇ご夫妻が長年親交のある王族らと会うことは自然なことで、こうした国際親善は続けてほしい」と。上皇陛下が心穏やかに充実した日々を送られる事を祈り上げる。
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