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  • 執筆者の写真高森明勅

天皇を巡るフィクションとノンフィクション


上皇陛下

天皇を巡るフィクションとノンフィクション

毎日新聞が行った全国世論調査(平成31年3月16・17日に実施)の結果。当時は「天皇」でいらした上皇陛下が、象徴としての役割を「十分果たされている」との回答が67%(端数を四捨五入、以下同)で、「ある程度果たされている」が19%だった。合計で87%(端数を加えて)つまり9割近くの人々が、上皇陛下は「象徴」としてのお務めを「果たされている」と受け止めていた。


これは驚くべき数字ではあるまいか。生身の1人の人間に「国民統合の象徴」であることを求めるのは、想像を絶する無理難題だろう。ほとんど「神」であられることを求めているに等しい。壮大なフィクションとも言える。


しかし、上皇陛下は平成の30年余りの歳月、そのフィクションを限りなくノンフィクションに近付けようと「全身全霊」で努められた。その成果の一端が、例えば上記のような世論調査の結果に反映しているのだろう。

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