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  • 執筆者の写真高森明勅

「廃嫡」という虚構


「廃嫡」という虚構

「廃嫡」という虚構

近頃、「皇位の安定継承」を巡り、継承順位を変更するのは「廃嫡」だ、という不正確で感情的な発言が一部の論者から出ている。


しかし、廃嫡というのは、既に継承者としての地位が決まっていながら、それが変更される場合に当てはまる言葉だ。つまり、具体的には「皇太子」がおられる場合。その時に継承順位が変更されれば、畏れ多いが、歴史上の用語で言えば「廃太子」ということになる。しかし、今の皇室には皇太子はおられない。


秋篠宮殿下はあくまでも「皇嗣」でいらっしゃる。その事実を誰よりも深く自覚しておられる秋篠宮殿下は、宮中祭祀にあくまでも一皇族として「参列」される(殿内にお入りにならない)ことで、自ら“一線”を画しておられる。皇嗣は繰り返し指摘してきたように、(次の天皇たるべき皇太子とは違い)巡り合わせでその時に継承順位が1位の方を指す。


条件次第で順位の変更はあり得るし、その場合も「廃皇嗣」などと呼ばれることはない「廃嫡」論は、主に悠仁親王殿下の順位変更を念頭に置いているようだ。しかし、悠仁殿下の場合は、継承順位が必ずしも確定的ではない皇嗣の、更にお子様でいらっしゃる。だから、たとえ順位変更があったとしても、この言葉には当てはまらない。


非礼かつ不穏当な言葉遣いは慎むべきだろう。

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