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  • 執筆者の写真高森明勅

ご即位を巡る誤解?

更新日:2020年12月29日


上皇陛下

ご即位を巡る誤解?

上皇陛下が125代の天皇として即位されたのは何時か?

言う迄もなく、昭和64年1月7日、昭和天皇が崩御された“瞬間”だ。こんな自明の事を改めて取り上げるのは理由がある。


日本テレビ政治部がまとめた著書に奇妙な記述を見付けたからだ。


「平成改元時に…当時皇太子だった今の上皇陛下」「内閣が決定する新元号を…間もなく天皇に即位する、つまり極めて天皇と同等の立場の皇太子さまに伝え…」(『ドキュメント「令和」制定』)


元号懇談会の開催等、「改元」「新元号」が取り沙汰されるのは勿論、昭和天皇が崩御されてから。従って、上皇陛下は既に即位されている。にも拘らず、これを書いた記者は、まだ「皇太子」だったと思い込んでいるようだ。それだと、「昭和」から「平成」への改元の時に、しばらく天皇が不在の“空位”の時間が存在した事になってしまう。無論、そんな事実はない。


メディア関係者にも案外、初歩的な点が正しく理解されていないようだ。

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