郵便受けに書籍小包が届いていた。
開けてみると、中身は故・西部邁氏の新刊『保守の遺言』(平凡社新書)。
娘の智子(さとこ)さんを相手に口述筆記した最後の著書。 著者のプロフィールには「2018年1月21日に自裁を遂げる。 本書が絶筆となる」とある。 あとがきの日付は「平成30年1月15日」。
亡くなる1週間前だ。 締め括りに以下のようにある。
「自分の娘智子に口述筆記の謝辞を述べるのはこれで2回目と思うが(この前に『保守の真髄』講談社現代新書がある=引用者)、3回目は断じてないので安心してくれといっておく。 なお自分の息子一明夫婦をはじめとして、昔同じ屋根の下で暮らした兄正孝の夫婦、妹倫子の夫婦、亡妹容子の夫そして妹千鶴子の夫婦、西部むつ子の皆さんにも、さらに亡妻の姉、弟、妹たちにも、僕流の『生き方としての死に方』に同意はおろか理解もしてもらえないと わきまえつつも、このあとがきの場を借りてグッドバイそしてグッドラックといわせていただきたい」と。
「謹呈 著者」との短冊が挟んであった。 西部先生が亡くなる前に担当者に渡した贈呈先名簿の中に、私も加えて戴いていたのだろう。心して拝読しよう。
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