9月13日に自民党総裁選の立候補者の共同記者会見が行われた。
皇位継承問題を巡るそれぞれの見解も、安全運転ながら示された。
明治以来の「男系男子」尊重でほぼ足並みを揃えていたようだ。
しかし、一夫一婦制で少子化という条件下にあって、皇位継承資格の「男系男子」限定を維持しながら、どうやって安定的な皇位の継承と皇室の存続を可能にするのか。
その具体策を語って欲しい。
この問題に関わる憲法の要請は2つ。
1つは「世襲」。
もう1つは、「象徴」としての尊厳と国民からの自然な敬愛が保たれること。
この両者に応える為の正解は1つしかないはずだ。
側室が不在なのに男系男子限定という前代未聞の無理なルールを止めて、女性天皇、女系天皇を認めること。それを避けて、実現可能な方策がもし別にあるならば、国民の前に示して欲しい。
「悠仁親王殿下次代以降も皇統に属する男系の男子を前提に議論を深めていく」(茂木敏充氏)という発言から透けて見えるのは、将来的には旧宮家系子孫だけにこだわらず、無限大に拡大した意味で「皇統に属する」男系男子を、国民の中から次々に探し出して来る…というやり方だ。
しかし、それはもはや厳格には「天皇の血統」=皇統による「世襲」とは言えないし、「象徴」としての超越性や、国民からの尊敬と信頼も、失われる他ないだろう。
「126代男系で続いてきた皇統をお守り申し上げるのは私達の責任」(高市早苗氏)、
「126代の皇統は日本の国柄だ。男系男子でつながれてきた皇統を守っていく」(小林鷹之氏)、
「男系で来た皇室の歴史を踏まえ、しっかりと説得していく」
(加藤勝信氏)
などと言うのであれば、本来の課題である安定的な皇位継承については白紙回答で、ひたすら目先だけの皇族数確保を目指す欠陥プランを並べただけの有識者会議報告書にしがみついていないで、将来への具体策を提示すべきだ。
追記
9月14日、高森稽古照今塾の入門編がスタート。
登録者数は約60名で、殆どが20代·30代だ。
11月迄が入門編で、12月には特別セミナーを準備している。
ハイブリッド開催で会場参加者200名、オンライン参加者100名を予定している。
塾の中身などについては改めて。
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