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執筆者の写真高森明勅

エリザベス女王の国葬にお出ましの天皇・皇后両陛下のご様子



エリザベス女王の国葬にお出ましの天皇・皇后両陛下のご様子

天皇・皇后両陛下には英国のエリザベス女王の国葬にお出ましになられた。

その時のご様子を新聞記事から紹介しておく(産経新聞、9月24日付「皇室ウイークリー」)。



「両陛下は現地時間17日午後、ロンドン郊外のスタンステッド空港にご到着。宿泊先のホテルでは、在英邦人らが歓声とともに出迎え、両陛下はにこやかに手を振って応じられた。


天皇陛下は18日、チャールズ英国王主催のレセプションにご臨席。ロンドン市内のチェルシー王立病院から、各国の元首・首脳と乗り合わせてバスで会場のバッキンガム宮殿に移動された。


各国の参列者の会場までの移動では、安全上の理由から専用車両を用いた国もあったが、側近によると、陛下はあらかじめ、移動について『現地に必要以上の負担をかけることのないように』

とのお気持ちを示されていたという。バスの車内では、各国の参列者と交流を深められた。


宮内庁によると、陛下はレセプションでチャールズ国王と面会し、両陛下からのお悔やみとともに、上皇ご夫妻から託されたご弔意を伝えられた。


この日は旧知のオランダ国王夫妻やフランスのマクロン大統領夫妻、初対面となる韓国の尹錫悦大統領夫妻ともあいさつを交わされたという。


また、陛下は英議会議事堂ホールで女王のひつぎにご対面。

側近によると、これまで女王が温かく接してくれたことに感謝し、静かにお別れをされたという。


19日には、両陛下でウェストミンスター寺院で営まれた国葬に参列された。

賛美歌やバグパイプの演奏が流れる荘厳な儀式の中、両陛下は女王をしのばれた。その後、女王のひつぎがウィンザー城まで運ばれる間、英外相主催のレセプションにご参加、アジア諸国をはじめ参列した各国の代表や英国の閣僚らと親しく懇談された。両陛下は同日夜に英国をたち、日本時間の20日夜、御所に戻られた。


側近によると、両陛下は英国で受けた温かい出迎えや配慮に感謝するとともに、お二方で国葬への参列を無事終えたことに、安堵されているという。


英国訪問中、陛下は国事行為の臨時代行を秋篠宮さまに委任された。

秋篠宮さまは20日、皇居・宮殿で、政令公布や叙位・叙勲の書類に署名や押印する執務に初めて臨まれた。陛下のご帰国に伴い、秋篠宮さまへの委任は解除された」


現地の負担にまでこまやかに配慮される天皇陛下と、世界中のどこにいても暗殺の恐怖から逃れられないので専用車両で移動するしかない国家元首との違いは、明らかだ。


ところで、今回の件に関わって週刊誌記者から取材を受けた時に、意外な質問を受けた。


「皇后陛下が国葬前日のレセプションに参加されなかったことを非難する声がネット上に見かけられるが、そのような非難をどう捉えるか?」というのだ。


ネット上にそのような不埒な声があることは知らなかった。呆れかつ憤慨を禁じ得なかった。


「見当違いも甚だしい。そもそも、わが国から片道で15時間以上もかけて、ご療養中の皇后陛下がわざわざお出ましになったこと自体、亡くなられたエリザベス女王および英国の方々への深い

お気持ちがなければ出来ないことで、まずその点に心を致すべきだ。


しかも、今回のお出ましの目的はエリザベス女王の国葬に参列されて弔意を表されることなので、前日のレセプションに無理を押して参加され、肝心な国葬当日にご体調を崩されてしまっては、それこそ本末転倒になる。それを考えると、前日のレセプションへのご参加を控えられたことは、至って賢明なご判断と申し上げるべきことで、それを非難するなどは言語道断ではないか。実際に国葬後のレセプションには皇后陛下も参加なさっている」



およそこのような答えを伝えたが、私のコメントは記事にならなかったようだ。しかし、又ぞろ悪質なバッシングの気配があるのなら、警戒が必要だ。


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