
小室眞子さまのご結婚を報じた新聞各紙(10月27日付)から。
《東京新聞》
先ず東京新聞に拙文が掲載された。
「小室家の『金銭トラブル』とされた問題の実態が十分に解明されないまま、週刊誌などで一方的なバッシングを受けられる形になった眞子さんは、一般的な国民とは異なって、名誉毀損・侮辱罪の被害者としての法的な保護も事実上、得られない状態で、複雑性PTSDとの診断結果が公表される事態にまで立ち至ってしまった」
「現在、皇位継承順位が第2位とされる眞子さんの弟宮の悠仁さまは、一連の推移をどのようにご覧になっただろうか。将来、自身の自由や権利を犠牲にしてまで、天皇として国民に寄り添い、国家に尽くす責任感、使命感が大きくそがれる結果にならなかったか、どうか」
(敬称は編集サイドによる。ちなみに私自身は、眞子「さま」〔ご結婚により、“内親王殿下”→“さま”へ〕、悠仁「親王殿下」又は「殿下」)
「未婚の女性皇族方も今後、政府・国会の『皇族数確保』によって、結婚後も皇族の身分にとどまられる制度(一代限り等)が導入される可能性が出ている。
それが目先を取り繕うだけで、真に『皇位の安定継承』につながらない場合、自らのかけがえのない人生を犠牲にするに覚悟をお持ちいただけるだろうか」
《日本経済新聞》
日本経済新聞にはポートランド州立大学日本研究センター所長で象徴天皇制研究者のケネス・ルオフ氏の談話が載った。
「(米国で)女性皇族が結婚で皇室を離れなければならないこと、日本では女性が天皇になることに強い反対があることを説明すると、皆困惑する。先進国のなかで男女平等が非常に重要になってきている21世紀に、これでは日本の印象が悪くなると思う」
「この問題は一つの警告として受け止めるべきだと思う。悠仁さまはかなりの関心を持って事態を見ているはずだ。自身の結婚も難しくなると考えているだろう。将来、皇太子や天皇になることをためらう可能性もある」
「日本の皇室が長く続いてきたのは、伝統に固執してきたからではない。伝統を守ることは重要だが、時代に合わせて変化してきたからこそ、皇室は存続してきた。そう考えている日本人は多いと思う」
同氏は以前、「ゴー宣道場」にゲストとして参加してくれたことがある。懇親会でも有益な時間を過ごした。悠仁殿下の視点に立ったコメントは、図らずも拙文と問題意識を共有している。
しかし、今回のことが未婚の皇族方の心理にどのような影響を与えるかについて、丁寧に配慮した言及は、他にはほとんど見かけなかったように思う。
《毎日・朝日新聞》
毎日新聞が海外の報道を紹介した中で、英国の「ガーディアン紙は、神道学者の高森明勅氏の
『道徳的に、日本人は皇族に完璧であってほしいのだ』とのコメント…を引用」とある。
「ガーディアン」の取材は受けていないので、恐らくロイター通信のインタビューへの回答を元にした記事だろう。私が言いたかった主旨が正確に報道されていれば良いが。
朝日新聞の社説。
「一時金は皇室経済法で定められたものだ。これ(一時金の不支給)が先例となって、今後、受け取るか否かが議論になったり、皇族の意思で制度が左右される事態が広がったりするのは好ましくない」
「天皇を国民統合の象徴と定める憲法の下で、天皇や皇族は多くの制約を課されている。職業選択や居住の自由はなく、中傷や批判に反論することもままならない」
「『公』の存在である天皇や皇族に何を求め、いかなる我慢を強いるのか。かたや個人としての権利をどう考え、『私』の領域での自由をどこまで認めるのか。立ち止まって議論を深める必要がある」
「皇位継承や皇室活動の維持が困難になるとの指摘は以前からあり、05年と12年に政府内で対応が検討された。だが議論は中断し、事態はいっそう深刻になっている。政府はこの間の不作為を反省し、眞子さんの結婚が提起した問題も念頭に置きつつ、解決に取り組まなければならない」
《読売新聞》
読売新聞に載った精神科医の斎藤環氏のコメント。
「特に驚いたのが、眞子さまが小室さんに『海外に拠点を作ってほしい』とお願いしたと明らかにした点だ。日本にいると今後も批判にさらされると考えたことがうかがわれ、そこまで追い詰められたのかと感じた。国民もメディアも、皇族でもひとりの人間としての尊厳を守る姿勢を持つべきだ」
眞子さまは、かつて狂気じみた雅子妃(今の皇后陛下)バッシングに直面され、衝撃と恐怖を覚えられたという。当然だろう。
先頃、15歳になられた悠仁親王殿下が、大好きなお姉さまへの事実に基づかない一方的なバッシングに、深く傷付いておられないはずがあるまい。