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執筆者の写真高森明勅

皇室の存続と憲法9条改正

更新日:2021年3月1日




3月の関西ゴー宣道場のゲストは、ポスト安倍の有力候補のお1人、石破茂代議士。

同氏のオフィシャルサイトには、「天皇陛下のご生前ご譲位について」と題するご自身の文章が掲げられている(平成29年1月31日)。そこで、ご自身の見解を次のように要約された。

1、ご生前のご譲位は認めるべきであり、これを今上陛下ご一代に限るのではなく、恒久的なものとして皇室典範に定めるべきである。 2、「国民統合の象徴」としての天皇陛下のお役割は摂政を置くことで足るものではない。

3、国会の議決は、可能な限り衆参両院総議員の出席による全会一致を追求すべきである。 4、今後皇室が安定的に継続するための法の整備が喫緊に必要である。


いずれも極めて真っ当な結論だ。

文末には、参考文献として拙著『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)も。又、別に「日本国憲法9条の改正について」という一文も掲げられている(平成30年2月23日)。そこには、安倍首相が唱える「自衛隊」加憲論とは、明確に一線を画した改憲論が展開されている。


「『国家としてその主権と独立を守る組織を有する』

『その行動は確立された国際法規と国際慣習に従う』

『その組織は司法・立法・行政によって統制される』


という3点は国際的に常識であり、これが『国民に理解されない』と決めつける姿勢には強い違和感を覚える。『自衛隊は違憲であるという憲法学説を封じ込めることが今回の9条改正の目的であり、他は何も今と変わらない』という考えは、激変する安全保障環境から目を背けることに他ならない」と。

どちらが憲法改正論として健全かつ説得的かは、改めて述べる迄もあるまい。今の自民党で、この方面の見識と、しかるべき存在感とを兼ね備えている政治家が、石破代議士以外にいるだろうか。以前、ゴー宣道場は分裂前の民進党と提携して、天皇陛下のご譲位を可能にする法整備を、将来に禍根を残さない形で実現する為に、少なからず貢献できたと自負している。

この度の石破代議士とのコラボレーションは、政治状況にどんな“化学変化”をもたらすか。関西ゴー宣道場は未知なる領域への第1歩になるかも知れない。これを見逃すな。応募の締め切りは2月27日。

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