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  • 執筆者の写真高森明勅

新聞の凋落


新聞の凋落

朝日新聞の現状を巡り、匿名座談会で次のようなやり取りを見かけた(「SPA!」2月2日号)。


「A 朝日は昨年11月の中間決算報告で419億円の大赤字を出した。会社側はコロナの影響を要因に挙げているけど、読者離れが深刻化しているのが実情。


B 朝日はもはや、本業のメディア事業よりも有楽町マリオンをはじめとする不動産部門が収益の柱となっていますが、 コロナ禍でテナント企業の撤退が相次ぐことが予想されます。東京の朝日の記者たちは常々、『新聞が一部も売れなくても、マリオンのあがりだけで給料は出る』と自慢していたけれど、うかうかしていられない状況ですね。


C ほかの新聞社でもリストラは行われているし、自殺者まで出ている。新聞業界が凋落(ちょうらく)するなか、朝日も例外でなくなったということだね。


A 朝日が思い描く最終形態として、記者は東京・大阪などの大都市圏に集約し、地方支局は高校野球担当で1人だけとする案がある。それで地方ニュースはテレ朝の系列局の原稿を新聞用にリライトして使い回すというもの。こうした地方局からの記事を、外部メディアに有料で配信も行うことで共同通信の領域に侵食しようとも考えいる。


A 地方から撤退して都合よく吸い上げる格好ですね。朝日がよく政府批判で取り上げたがる『地方切り捨て』 を自ら実践するような話。高給を維持するためには背に腹は代えられないのかな」


朝日新聞でこれなら、他は推して知るべし。産経新聞がコスト削減の為に、「全国紙」から転落したり、毎日新聞が資本金を大幅に減らして、税法上の「中小企業」に衣替えをしたり。遠くない将来、我々は「新聞」というメディアの終焉(しゅうえん)に立ち会うことになるのか。

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