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久しぶりの“ハグ”

執筆者の写真: 高森明勅高森明勅

久しぶりの“ハグ”

久しぶりの“ハグ”

久しぶりにハグをした。と言っても若い女の子とではない。相手は長女の旦那のシンガポール人の青年だ。正月早々、仕事で来日した。もっとも、シンガポールでは旧正月を祝うので、彼らにとって今は「正月早々」という感覚ではない。


娘は一足早く、年末から日本に帰っている。1月3日、靖国神社境内に設けられた「福引き所」で娘夫婦と落ち合った。彼は以前、私が握手だけをして、ハグをしない事に“よそよそしさ”を感じていたようだ。私は政治家ではないので、やたらと握手をするような真似はしない(たまにファンの方から握手を求められるような場面を除いて)。


だから握手をする事は、私自身としては特別な親愛の情の表現のつもりだった。しかし、文化の違いがある。我が義理の息子にとって、握手はビジネスの付き合いで行うマナー。家族や親族ならハグをするのが当然。なのに、ハグをして貰えないのは、自分が「家族」とは見なされていないから。そう感じてしまうらしい。それに気付いてからは、会った時には必ずハグをする。


前にも書いたように、彼は身長185センチ程の長男・次男よりも、更に少し背が高い。だからハグをすると、殆ど私が“抱っこ”されているような格好になる。余り人様に見せられた図ではない。でも、本人を寂しがらせたくないので、この時も、参拝者が詰め掛けている福引き所の前でハグをした。


その後、長男も合流。

我がシンガポールの息子の希望で神保町の大戸屋へ。チェーン店だが、安くて美味しいと感じ、気に入っているようだ。近くには、値段がやや高価でも、もっと美味しい店もあるはず。2年ぶり位の再会なので、私に遠慮する必要はない。だが本人の希望を最優先した。ここで次男も加わる。


食後、サプライズで贈り物を。予め長女の助言を得て選んだ、少し高級なボールペン。彼の好みのデザインの品だ。とても喜んでくれた。別れる時にも又、ハグをする。今度会うのは私がシンガポールを訪れた時だろうか。


恥ずかしがり屋で、口数も少ないが、とても優しい好青年だ。去年の娘の誕生日には、突然にロンドン旅行をプレゼントしてくれたらしい。なかなか憎い事をやってくれる。私は妻にそんな心遣いをした記憶がない。

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