「父の日」は無い?
「父の日」が近くなると思い出す。
もう随分、昔のこと。
都内のとある下町を息子2人と歩いていた。
2人は私の少し後ろ。
次男が兄に話し掛けている。
「もうすぐ母の日だね」
兄「うん、そうだね」
弟「でも不思議なんだよね」
兄「何が?」
弟「だってさぁ、母の日はあるのに、父の日が無いじゃん。変じゃない?」
長男は慌てて、(私に聞こえないように)声を低めて答える。
「いや、父の日はあるんだよ」
弟は兄の慌てぶりにも頓着なく、大きな声でこう言った。
「へー、父の日ってあったんだ。ちっとも知らなかった。
てっきり無いのかと思っていたよ」と。
勿論、私はその時、内心の落胆に気付かれないように、又そんなやり取りなんてまるで聞こえなかったかのように、ごく平静に振る舞った…つもりだ。
でも、それから歳月が流れた今も、執念深く覚えていたりする。
諸君!「父の日」はある。
この日には、普段は照れ臭くて“敢えて”隠しているのかも知れない、父親への深い深い感謝の気持ちを、遠慮なく表現して良いのだぞ。
繰り返す。
父の日は断じてある!