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執筆者の写真高森明勅

皇室のご安泰を図るには最悪の事態も想定した法整備が不可欠


皇室のご安泰を図るには最悪の事態も想定した法整備が不可欠

危機管理の要諦は、予め最悪の事態も織り込んで(悲観的に)備え、事に臨んでは最善を目指して(楽観的に)対処することである、と言われる。畏れ多いが、皇室のご安泰を願うならば、同様の心構えが求められる。


不敬に聞こえるかも知れないが、以下に述べるような事実も、比較的近い過去に間違いなくあった。従って、そうした事態も織り込んで、早め早めに十分な用意が欠かせないはずだ。


◎親より子が先に亡くなられた事例。

三笠宮家におかれては、ご両親よりもお3方のお子様方が先に亡くなられた。


〇父宮=崇仁(たかひと)親王。

大正4年のお生まれで、亡くなられたのは平成28年。

〇母宮=百合子妃殿下。大正12年のお生まれで、現在は三笠宮家のご当主。

△ご長男=寛仁(ともひと)親王。

昭和21年のお生まれで、亡くなられたのは平成24年。

△ご次男=宜仁(よしひと)親王。

昭和23年のお生まれで、亡くなられたのは平成26年。

△ご三男=憲仁(のりひと)親王。

昭和29年のお生まれで、亡くなられたのは平成14年。


◎兄より弟が先に亡くなられた事例。

昭和天皇にはお3方の弟宮がおられたが、そのうちのお2方は先に亡くなられた。

〇昭和天皇は明治34年のお生まれで、亡くなられたのは昭和64年。

△弟宮の秩父宮雍仁(やすひと)親王は明治35年のお生まれで、亡くなられたのは昭和28年。

△同じく弟宮の高松宮宣仁(のぶひと)親王は明治38年のお生まれで、亡くなられたのは昭和62年。


現実においては、こうしたことがしばしば起こり得ることを、くれぐれも忘れてはならない。天皇陛下の次の世代に現状、たったお一方だけ皇位継承資格者がおられることを根拠に、皇室の将来について楽観的に、“一先ず今後数十年は大丈夫”などと高を括るのは、危機管理の対極にある考え方だ。


追記

今月のプレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」は16日午後3時公開。

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